2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管攣縮におけるPAR-1の機能解析、および新規G蛋白質共役受容体の検索
Project/Area Number |
18209045
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 富男 Kyushu University, 医学研究院, 教授 (10134561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 昌弘 九州大学, 大学病院, 講師 (50380621)
庄野 禎久 九州大学, 医学研究院, 准教授 (00346793)
宮城 靖 九州大学, デジタルメディシン・イニシアティブ, 准教授 (10380403)
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Keywords | くも膜下出血 / 脳血管攣縮 / G蛋白質共役型受容体 / PAR-1 / アルガトロバン |
Research Abstract |
1.くも膜下出血(SAH)モデルウサギ脳底動脈におけるG蛋白質供役型受容体(GPCR)の役害 ウサギ大槽内に自家血を注入したSAHモデルと、生食を注入した対照モデルを作成し、摘出脳底動脈を用いて等尺性張力測定を行った。エンドセリン1、トロンビン、フェニレフリンによる収縮は、対照モデルでは減弱したが、SAHモデルでは持続した。SAHにおけるこの持続収縮は、Gαq阻害薬(YM254890)により完全に抑制された。トロンビン受容体活性化ペプチド(PAR1-AP)およびフェニレフリン刺激を2回繰り返すと、対照モデルでは2回目の収縮が減弱したが、SAHモデルでは減弱しなかった。アゴニストの長時間暴露や連続刺激下では、受容体は不活化されアゴニスト収縮反応性は減弱すると考えられる。SAHモデルにおける収縮反応性増強は、受容体不活化機構の障害を示唆する。この収縮がGαq阻害薬により抑制されたことにより、SAHモデルではGPCRを介したGαqシグナルが持続している可能性がある。 2.SAH後脳血管収縮性亢進に対するトロンビン阻害剤アルガトロバンの予防効果 自家血にトロンビン阻害剤アルガトロバンを混じて脳槽内投与したアルガトロバン治療モデル(ARGモデル)を作成し、収縮反応性およびPAR1発現をSAHモデルと比較した。等尺性張力測定によりトロンビン収縮とPAR1-AP収縮を観察した。いずれの収縮もARGモデルではSAHモデルの約50%に減少した。酵素抗体法によるPARIの免疫組織学的解析では、ARGモデルでその発現が減弱した。アルガトロバンは、SAHモデルにおける受容体発現亢進および収縮反応性亢進を予防した。 3.トロンビン収縮における活性酸素種(ROS)の関与 ウサギ脳底動脈をトロンビン刺激し、dichlorofluorescein diacetate assayにより細胞内ROSの蛍光測定を行った。トロンビン刺激前、刺激15分後、45分後における蛍光強度を測定した。対照モデルとSAHモデルとの間でROS産生に有意差を認めなかった。
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Research Products
(7 results)