2007 Fiscal Year Annual Research Report
泌尿器科がんの統合的OMICSデータの臨床応用を目指した検証研究
Project/Area Number |
18209049
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 修 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (90260611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 賢一 京都大学, 医学研究科, 教授 (70034030)
福島 雅典 京都大学, 医学研究科, 教授 (80107820)
辻本 豪三 京都大学, 医学研究科, 教授 (80172013)
西山 博之 京都大学, 医学研究科, 講師 (20324642)
中村 英二郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (90293878)
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Keywords | 泌尿器科癌 / OMICS / 遺伝子解析 / 網羅的発現解析 / プロテオーム |
Research Abstract |
平成19年度は研究計画書に基づき、尿路上皮癌・前立腺癌・腎癌の3種の泌尿器科癌を対象に研究を遂行した。 1)尿路上皮癌:尿路上皮癌の腫瘍検体を用いcDNAマイクロアレイ解析を行い、p21 activated kinaseが表在性膀胱癌の再発予測に役立つこと(J Urol 2007)、細胞株上清のプロテオーム解析ではCXCL1が膀胱癌浸潤予測マーカーとして有用であることを示した。多発性膀胱癌の臨床検体を用いたCGHアレイにより、異時性膀胱癌の染色体変異が蓄積していくことを証明した(BJC 2007)。さらに、浸潤癌に対する多剤併用化学療法の有効群と無効群でのcDNAマイクロアレイ比較により化学療法感受性マーカーを抽出し検討中である。また、CDDP耐性機序の解析も行い、CDDP感受性におけるgalectin7(Cancer Res 2007)の意義やtriptrideとの相乗効果を示した。 2)前立腺癌:ヒト前立腺癌による組織マイクロアレイを用いた免疫染色により、Aktの活性化が前立腺癌の悪性度と相関することを示した(BJU Int 2007)。また、前立腺癌ホルモン不応性獲得機序の研究(Expert Rev Endocrinol Metab 2007)において、新規樹立したアンドロゲ依存性前立腺癌KUCaPを用いたcDNAマイクロアレイ解析により、ホルモン不応性獲得に際し変動する遺伝子を抽出し、新たな治療標的分子の探索を行っている。 3)腎細胞癌:転移性腎細胞癌のインターフェロンα免疫療法に対する感受性がSTAT3遺伝子多型と相関することをCase-control研究で証明した(J Clin Oncol 2007)。また、腫瘍マーカーの探索にむけて、血清を用いてショットガンプロテオーム解析を行い、担癌患者でのみ同定される28種類の候補蛋白質を抽出した。組織cDNAマイクロアレイデータと統合し絞り込んだ6種類の候補について腎細胞癌のバイオマーカーとしての有用性を検証中である。
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Research Products
(9 results)