2008 Fiscal Year Annual Research Report
泌尿器科がんの統合的OMICSデータの臨床応用を目指した検証研究
Project/Area Number |
18209049
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 修 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (90260611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 博之 京都大学, 医学研究科, 講師 (20324642)
中村 英二郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (90293878)
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Keywords | 泌尿器科癌 / OMICS / 遺伝子解析 / 網羅的発現解析 / プロテオーム |
Research Abstract |
平成20年度は研究計画書に基づき、尿路上皮癌・前立腺癌・腎癌の3種の泌尿器科癌を対象に研究を遂行した。 1)尿路上皮癌:ショットガンプロテオミクスにより浸潤と関与する蛋白質として見出したCXCL1は、膀胱癌浸潤に重要な役割をはたしており、新規尿中マーカーとしての有望性が示唆された(Clin Cancer Res 2008)。また、漢方薬の一種であるtriptolideの膀胱癌細胞に対する影響と分子機序について、プロテオミクスを用いた解析を行い、p53の転写共役因子のひとつであるGSK-3βが重要な役割を果たし、さらにp21発現低下のためシスプラチン誘導性細胞死の増強が生じることを示した(Oncogene 2008)。 2)前立腺癌:網羅的遺伝子連鎖解析により同定された8q24遺伝子多型が日本人の前立腺癌発生リスクおよびその悪性度に影響を与えることを示した(Prostate 2008)。さらに、新規樹立したXenograftを用いたDNAマイクロアレイ解析により、ホルモン療法抵抗性獲得に際し変動する遺伝子を抽出し、同遺伝子が新たな治療標的分子となる可能性を示し、特許出願を行った。 3)腎癌:腎癌患者の摘出標本を用いたDNAマイクロアレイ解析により、CDCP1の発現がその予後に影響を及ぼしていることを示した(J Cancer Res Clin Oncol 2008)。また、同解析により同定したTU3Aは、腎癌細胞においてメチル化により制御されていることを示した(Int J Oncol 2008)。
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Research Products
(8 results)