2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫の活性化を利用した新しい婦人科癌免疫療法の確立と臨床応用
Project/Area Number |
18209052
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 信吾 京都大学, 医学研究科, 教授 (30135579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 志文 京都大学, 再生医学研究所, 教授 (30280770)
岡崎 拓 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00362468)
高倉 賢二 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10221350)
万代 昌紀 京都大学, 医学研究科, 講師 (80283597)
八木 治彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (70402857)
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Keywords | 婦人科悪性腫瘍 / 腫瘍免疫 / PD-L1 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
婦人科悪性腫瘍の多くは化学療法に対する感受性を有しており、寛解状態にできる例が多いが、かなりの割合が再発し治療抵抗性を示して不幸な転帰を取るため、長期的予後は良くない。このため新しい治療法の開発が必要である。腫瘍免疫療法は以前から期待されてきたが、いまだに臨床応用の方法は確立されていない。腫瘍は本来不可欠な自己寛容維持機構をうまく利用することで免疫系の攻撃から逃れていると考えられ、本研究で我々は、自己寛容維持のメカニズムを逆に利用して、これを一過性に抑制し、ある程度の自己免疫状態を惹起することによって強力な自己免疫を得るという新しい治療法を婦人科悪性腫瘍に対して導入することを目指している。 A)婦人科悪性腫瘍の病態・予後に対する腫瘍免疫の影響の解析:本科研費を得て初年度として、婦人科悪性腫瘍のうちでも予後が不良で、免疫療法の最適なターゲットとなると考えられる卵巣癌において、免疫関連因子PD-L1,L2およびCD8+T細胞の腫瘍内浸潤に関して検討した。この結果、卵巣癌におけるPD-L1の発現は、CD8+T細胞の腫瘍内浸潤と逆相関し、かつ、予後不良因子となっていることが明らかになった。 B)一方、CD4+25+制御性T細胞に関する解析も行った。制御性T細胞は腫瘍免疫においても重要な役割を果たすことが明らかになって来つつあるが、免疫反応を抑制する分子機構はまだ明らかになっていない。そこで、制御性T細胞におけるマスター制御遺伝子であるFoxp3遺伝子が直接作用する遺伝子を探索・その作用を解析することを目的として、クロマチン免役沈降を利用して転写因子Foxp3と結合する遺伝子を検索した結果、Bone morphogenetic protein2が見つかり、そのmRNA発現が制御性T細胞で有意に高いことが判明し、現在その機能解析を行っている。
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Research Products
(6 results)