2006 Fiscal Year Annual Research Report
緊急使用および長期使用が可能な抗凝固療法不要の次世代型PCPS装置の実用化開発
Project/Area Number |
18209054
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
巽 英介 国立循環器病センター(研究所), 研究評価室, 室長 (00216996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 敏秀 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 室長 (40426515)
妙中 義之 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 部長 (00142183)
築谷 朋典 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 室員 (00311449)
本間 章彦 国立循環器病センター(研究所), 人工臓器部, 室員 (20287428)
塩谷 恭子 国立循環器病センター(研究所), 実験動物管理室, 室長 (50426516)
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Keywords | 経皮的心肺補助 / PCPS / ヘパリンコーティング / 抗凝固療法 / ECMO / 抗血栓性 / 血漿漏出 / ガス交換 |
Research Abstract |
経皮的心肺補助(PCPS)は現在行い得る唯一の機械的心肺補助手段であり、近年救急医療領域を中心にとくにその有用性が高まりつつある。しかしながら、従来のシステムは緊急対応性に乏しく抗血栓性に乏しく、使用期間も数日程度に限られており臨床成績も良好とは言い難かった。本研究の目的は、容易かつ迅速に適用可能でしかも長期間安全に使用できる次世代型PCPS装置を開発することである。開発目標は、優れた移動性・携帯性を有し、長期耐久性に優れ、さらにヘパリン投与等の抗凝固療法が不要な画期的なものである。本年度は、まず血液適合化表面処理技術の最適化として、開発を進めてきた新規ヘパリンコーティング表面処理を開発装置の全血液接触面に施すための最適条件を決定した。そしてさらに、装置の全血液接触面にコーティングを施すための最適処理条件を確立した。コーティングしたPCPS回路は、慢性動物実験による評価を用いて改良を重ねた。この動物実験評価では、駆出性能・ガス交換性能に加え、長期抗血栓性・生体適合性の評価を併せて行った。その結果、抗凝固療法非施行下で1ヶ月間の安全な連続使用が可能であった。移動性・携帯性に優れたPCPSシステムの基本構築としては、当施設の臨床工学士らと意見交換を行いつつPSPC装置全体のパッケージ化を進め、先ずは院内で優れた移動性・携帯性を発揮し得る一時試作モデルを完成した。この試作モデルは小型のカートに集積化したPCPSシステムを搭載したもので、コアサイズは24×46×90cm、重量31kg、車椅子方式の台車構造で小回りが容易で、また酸素ボンベおよび高性能バッテリを搭載しており、酸素や電源の供給なしで3時間程度の駆動が可能である。この試作モデルは、先ず院内使用にて有用性の検討と改良点の抽出を行う予定である。
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