2008 Fiscal Year Annual Research Report
嚥下障害解明に向けた基礎的研究:嚥下誘発における覚醒・睡眠の影響
Project/Area Number |
18209056
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山田 好秋 Niigata University, 医歯学系, 教授 (80115089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 健介 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90272822)
井上 誠 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00303131)
黒瀬 雅之 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40397162)
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Keywords | 嚥下 / 咀嚼 / 睡眠 / 筋電図 / 介護 / 誤嚥 |
Research Abstract |
意識レベルが嚥下誘発におよぼす効果を科学的に検証するためには、定量的な刺激で嚥下を誘発する必要がある。これまで多くの研究者が様々な方法で定量的な嚥下誘発手法の開発に取り組んできたが、いまだにその手法は確立されていない。そこで我々は、まず定量的かつ効果的な嚥下誘発手法の開発に着手した。初年度は水を咽頭に注入する方法を採用したが、この方法には刺激の定量化という観点から見ると、注入する液体の量や温度、注入速度など制御すべき要素が多いことに加え、誤嚥の危険性があるなど、将来的に要介護者での嚥下誘発に応用する上で問題があることが明らかになった。そこで動物実験においては容易に誘発することが可能である電気刺激の有用性に着目した。この方法には刺激の定量化が容易である上に、誤嚥の危険性がないという利点がある。そこで我々は電極を内視鏡観察下で鼻腔経由に挿入し、咽頭後壁に固定する手法を試みた。その結果、鼻腔経由の電極アプローチによる中・下咽頭領域の電気刺激が非常に効果的な嚥下誘発方法であることを見いだした。当該年度は健常者を対象に嚥下誘発に最も効果的な刺激部位や刺激パラメータを明らかにすることを目的に実験をおこない、舌咽神経により支配される中咽頭領域と迷走神経により支配される下咽頭領域の両方への連発電気刺激が、被験者に「水が流れる」あるいは「水が湧き出す」ような感覚を惹起させるとともに、効果的に嚥下を誘発することを明らかにした。加えて、中咽頭領域と下咽頭領域刺激効果を比較した場合、嚥下に伴う舌骨上筋群の活動や、誘発閾値、誘発潜時には差がないが、下咽頭刺激の方が誘発確率が高い傾向にあることをも明らかにした。
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Research Products
(21 results)