2009 Fiscal Year Annual Research Report
嚥下障害解明に向けた基礎的研究:嚥下誘発における覚醒・睡眠の影響
Project/Area Number |
18209056
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山田 好秋 Niigata University, 企画戦略本部プロジェクト推進室, 教授 (80115089)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 健介 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90272822)
黒瀬 雅之 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40397162)
加藤 隆史 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (50367520)
古賀 義之 長崎大学, 医学部・歯学部付属病院, 講師 (50175329)
|
Keywords | 嚥下 / 咀嚼 / 睡眠 / 筋電図 / 介護 / 誤嚥 |
Research Abstract |
超高齢化社会である現在の日本では、65歳以上の高齢者において肺炎を原因とする死亡率が96%と非常に高い。そして、高齢者の肺炎の多くは誤嚥により引き起こされる。我々の研究目的は、高齢者の誤嚥の問題を解決のため、嚥下誘発の生理学的機序を解明することである。動物実験では、覚醒または睡眠時における嚥下関連筋の筋活動について調べた。その結果、(1)睡眠中の嚥下関連筋の活動レベルは、覚醒中の平均活動レベルと比べると相対的に低下する。(2)咀嚼筋と頚筋では筋活動量の低下率が異なり、頚筋活動レベルはノンレム睡眠からレム睡眠へ移行すると低下するが、咬筋の活動レベルはノンレム睡眠とレム睡眠で差がない。(3)咬筋と顎二腹筋の活動レベルを比較すると、睡眠の違いによる差は認められないが、筋活動レベルは咬筋のほうが顎二腹筋より高い。(4)ノンレム睡眠中の咬筋と顎二腹筋それぞれの活動レベルが上昇するに従い、心拍数は上昇し徐波活動量は低下することが解った。ヒトを対象にした実験では、経鼻的刺激電極を開発し、咽頭領域を電気刺激することにより高い再現性をもつ嚥下誘発方法を確立した。今年度は脳波、眼電図記録下での座位長時間記録を行い、覚醒度と電気刺激による嚥下誘発効果の関連を検討した。刺激強度を誘発閾値の1.5倍に設定したところ脳波上で覚醒と判断される状態では76%であった誘発確率が、Stage1睡眠では25%、Stage2睡眠では1%未満にチ低下することが明らかになった。このことより、嚥下障害者のリハビリや、食事介助を行うにあたり、患者の覚醒度を高めることが有効かつ不可欠であることが明らかになった。
|
Research Products
(34 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article]2009
Author(s)
Kato T
-
Journal Title
Sleep Medicine for Dentists(Quintessence)
Pages: 101-108
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-