2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄・根尖部歯周組織の創傷治癒メカニズムの解明と再生療法への応用
Project/Area Number |
18209057
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉嶺 嘉人 Kyushu University, 歯学研究院, 准教授 (80183705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 知昭 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (50265005)
柴 秀樹 広島大学, 歯学研究院, 准教授 (60260668)
川島 伸之 東京医科歯科大学, 医歯(薬)総合研究科, COE特任教員 (60272605)
徳田 雅行 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20253891)
高柴 正悟 岡山大学, 医歯(薬)総合研究科, 教授 (50226768)
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Keywords | 歯髄 / 根尖部歯周組織 / 創傷治癒 / 再生療法 |
Research Abstract |
(1)根尖病巣治癒メカニズムの解明を目的に、骨芽細胞の根尖病巣の治癒過程におけるIL-1α/-βのマウス骨芽細胞様細胞MC3T3-E1に対する影響を調べた結果、両者はp38MAPK系を介して細胞の増殖活性を有意に亢進することとMC3T3-Elの細胞接着能がIL-1α刺激によって亢進することが分かった。(1)Nd:YAGレーザー照射がペプチドグリカン存在下におけるヒト歯髄細胞の炎症性サイトカイン発現に及ぼす影響を調べ結果、ペプチドグリカン刺激によって誘導されるIL-6産生促進には、p38のリン酸化が関与していることが明らかになった。(1)ラット実験的根尖病変の進展期において、転写調節因子Rorgt・サイトカインIL17/IL21/IL22/IL23の発現が確認されたことは、根尖病変の初期よりTh17浸潤が誘導され、Th17由来のサイトカインが根尖病変の病態を深く修飾している可能性が示唆された。(4)根尖病巣の治癒機序における水分子チャネル、アクアポーリンの作用機序を調べるために、歯根膜細胞・象牙芽細胞・歯髄細胞におけるアクアポーリンの発現を調べたところAQP-2/4/5の発現が強かった。SiRNAをトランスフェクトした細胞における形体を調べたところ収縮率が減少した結果より、アクアポーリンの細胞の形態維持への関与が示唆された。(5)細菌由来リポ多糖刺激に対して樹立した象牙芽細胞様細胞株は炎症応答を示すことと断髄部での適切な濃度のFGF-2徐放により象牙質欠損部に侵入した歯髄組織表層にdentin bridge様再生象牙質が誘導された。(6)塩基性線維芽細胞増殖因子を歯髄・象牙質複合体領域へ応用する際の炎症の影響および歯髄細胞の結節形成段階でのアポトーシス発現について検討した結果、炎症は歯髄・象牙質複合体の再生を抑制し歯髄細胞が結節形成する前段階で既にアポトーシスが発現している可能性が示唆された。以上の結果は、歯髄・根尖部歯周組織の創傷治癒メカニズムの解明と再生療法への応用に向けた研究を促進するのに役立つと考えられる。
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Research Products
(44 results)