2006 Fiscal Year Annual Research Report
早産児の顔面積変化率と脳血流からみた蔗糖とpacifierの鎮痛効果の実証研究
Project/Area Number |
18209063
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横尾 京子 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (80230639)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中込 さと子 広島大学, 大学院・保健学研究科, 助教授 (10254484)
村上 真理 広島大学, 大学院・保健学研究科, 助手 (10363053)
藤本 沙央里 広島大学, 大学院・保健学研究科, 助手 (90372698)
|
Keywords | 早産児 / 非薬理的鎮痛法 / 脳血流 / 顔面積変化率 / 蔗糖 / pacifier / NNS / 看護 |
Research Abstract |
本研究の目的は、早産児の採血時におけるpacifierの吸啜状態と痛み刺激への反応を顔面積変化率と脳血流量の観点から記述的に分析し、鎮痛効果を期待できる吸啜回数を明らかにし、その結果を基に、蔗糖の経口投与、甘味ありPacifier、甘味なしpacifierによる鎮痛効果を実証し、早産児の痛みの看護に役立てることである。 平成18年度の目的は、早産児の採血時におけるpacifierの吸啜状態と痛み刺激への反応を顔面積変化率と脳血流量の観点から記述的に分析し、鎮痛効果を期待できる吸啜回数を明らかにするため、1)pacifierの効果的な与え方について探索する、2)pacifierを与えた際の鎮痛効果が期待できる吸啜回数を探索することであった。さらに、目的3)として、12%および24%蔗糖に対する反応の出現時期についても顔面積変化率と脳血流量の観点から記述的に分析することを加えた。また、実証研究における採血方法(足底穿刺の場合)として、出来る限り新生児に適した標準的な方法を用いることができるよう、全国200施設のNICUに採血法に関する質問紙調査も実施した。 採血法に関する質問紙調査については、現在、回収中である(締め切り3月23日)。 調査協力施設2施設において、早産児5事例を対象に、20場面のデータを分析し、現段階で明らかにできたことは欠の通りである。 1)NIROを用いたデータ収集法を確立できた(頭頂部を用いる方法)。 2)Pacifierによる吸啜反応をポリグラフに取り込む方法を確立できた。 3)蔗糖への反応は、欧米の先行研究と異なっており、24%よりも12%が好ましいことが明らかになった。 4)Pacifierへの反応は、痛み刺激がない場合には、数分間続け(10回/分を)という単発的なものであった。痛み刺激を加えた場合については、採血法を確立した段階で、鎮痛効果が期待できる吸啜回数を明らかにする予定である。 平成19年度は、pacifierに関する現データ収集を継続し、8月にはRCTデザインによる蔗糖の経口投与、甘味ありPacifier、甘味なしpacifierの鎮痛効果を実証するためのデータ収集を開始する予定である。
|