2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会的弱者の自立と観光のグローバライゼーションに関する地域間比較研究
Project/Area Number |
18251005
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
江口 信清 Ritsumeikan University, 文学部, 教授 (90185108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤巻 正己 立命館大学, 文学部, 教授 (60131603)
ピーティ デイヴッド 立命館大学, 文学部, 教授 (80247808)
山本 勇次 大阪国際大学, 法政経学部, 教授 (50114806)
池本 幸生 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20222911)
石井 香世子 名古屋商科大学, 外国語学部, 准教授 (50367679)
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Keywords | 社会的弱者 / 観光 / 地域間比較 / 自立 / グローバライゼーション |
Research Abstract |
年度当初予定していたように、代表者・共同研究者は各人のフィールドで調査を継続した。江口信清によるガイアナ国先住民アラワク人の2つ目のコミュニティでの調査;藤巻正己によるマレーシア先住民オランアスリのコミュニティでの調査;ディヴッド・ピーティによるエクアドル先住民のコミュニティでの調査;山本勇次によるネパールの社会的弱者のコミュニティでの調査;村瀬智によるインドの世捨人バウル社会での調査;瀬川真平によるインドネシア・ジャワ島での地震被災者コミュニティでの調査;石井香代子によるタイ山地民コミュニティでの調査;池本幸生によるベトナム少数民族社会での調査。さらに、研究協力者2人によるそれぞれフィリピン・マニラでの貧困者の間での観光関連活動の調査、そしてベトナム山岳地少数民族の間でのエコツーリズムに関する調査が実施された。 これらの調査、および年間5回開催された研究会での議論を通じて、社会的弱者の観光を通じての自立(経済的にだけではなく、誇りと自信を回復するという意味も含むが)は可能であり、自立化にはとくに女性の役割や彼女たちの組織するマイクロ・ファイナンス・プロジェクトが非常に重要な貢献をすることが分かってきた。さらに、観光を通じての政府主導の小数民族支援策が決してうまくいっていないことなども分かってきた。外部からの自立唱化支援は外部主導の形で行うべきではなく、あくまでも社会的弱者が主導する形で実施されなければ成功が難しいことが分かっている。そして、成功するか否かの鍵は、当該集団をまとめあげることができるリーダーの有無が大きく関わっている、という点についても分かりかけている。
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Research Products
(20 results)