2008 Fiscal Year Annual Research Report
社会的弱者の自立と観光のグローバライゼーションに関する地域間比較研究
Project/Area Number |
18251005
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
江口 信清 Ritsumeikan University, 文学部, 教授 (90185108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤巻 正己 立命館大学, 文学部, 教授 (60131603)
ピーティ デイヴット 立命館大学, 文学部, 教授 (80247808)
山本 勇次 大阪国際大学, 法政経学部, 教授 (50114806)
村瀬 智 大手前大学, 社会文化学部, 教授 (50331707)
瀬川 真平 大阪学院大学, 国際学部, 教授 (90206615)
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Keywords | 社会的弱者 / 観光 / グローバライゼーション / 自立 / 地域間比較研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、途上国における社会的弱者の自立化を、グローバル化が進む観光という現象を通じて捉えなおそうとすることである。より具体的に言えば、社会的弱者が、不利益をもたらされがちであった観光現象を逆手にとって、自立化・自律化の途を進み、かつ近代化の過程で喪失してきた自信やプライド、そして「伝統」を回復することはできるのだろうか。社会的弱者の自立的な生き方に観光がどのような意味を持つのかについて、世界の多様な地域の事例の比較分析し、考察をすることが本研究の目的であった。比較考察の結果は、少なくとも四点にまとめられる。その一つは、途上国における社会的弱者は、観光にかかわるだけでは自立しえないであろうということである。二つ目に、外部で作られた観光の概念やスタイルと現地の人たちの理解するそれらの間には、しばしば齟齬があるということである。三つ目に、自生的なリーダーとこの人物を支えるフォロワー関係の存在が、観光開発の成否やコミュニティの福祉の改善に大きくかかわるということである。四つ目に、女性の役割がたいへん重要であるということである。 11月には海外の研究者4名を招聘し、2日間にわたる公開の国際シンポジウムを開催し、議論を深めると同時に、これまで得た本研究に関わる知見の社会還元をも図った。そして、最終的に、研究成果を公表してきた。立命館大学人文科学研究所紀要に掲載された論文と国際シンポジウムの発表内容は、PDFの形で公開され、研究所ホームページから見られる。
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