2006 Fiscal Year Annual Research Report
チュルク諸語における固有と外来に関する総合的調査研究
Project/Area Number |
18251007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保 智之 九州大学, 大学院人文科学研究院, 助教授 (30214993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早田 輝洋 大東文化大学, 外国語学部, 非常勤講師 (80091239)
庄垣内 正弘 京都産業大学, 文化学部, 客員教授 (60025088)
林 徹 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (20173015)
藤代 節 神戸市看護大学, 看護学部, 助教授 (30249940)
栗林 裕 岡山大学, 社会文化科学研究科, 助教授 (30243447)
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Keywords | 固有語と外来語 / 借用現象 / 言語接触 / 借用語の音韻論 / 借用語の形態論 |
Research Abstract |
チュルク諸語を主な対象として、個別言語における借用現象について、各自がフィールドワーク等を行なうと共に、2回の全体研究会を持ち、借用現象に焦点を当てた討議を行なった。以下は、各自の研究実績である: 1.久保は、満洲語(文語)とシベ語を対象として、外国地名の表記や、母音融合の表記を中心にした研究を進めた。その結果、従来非対称的な形式を持っているとされてきた動詞の未完了形の否定形(-raku)と完了形の否定形(-haku,-heku)について、じつは全く対称的で、どちらも-aku形であることを突き止めた。 2.早田と庄垣内は、それぞれ満洲語とウイグル語の文献を対象とした研究を進めた。 3.林は、2006年12月から2007年1月にかけて、3週間ベルリンに滞在し、クロイツベルクにあるギムナジウムにおいて談話資料の収集を行なうとともに、トルコ系移民の生徒たち約50名を対象に、トルコ語とドイツ語の語彙の関係に焦点を当てたアンケートを実施した。現在分析を進めている。また、Staatsbibliothekにおいて、エイヌ語に関する資料調査を行なった。 4.藤代は、東シベリアのチュルク系言語、特にドルガン語とヤクート語について、会話帳の作成を母語話者等と進めた。2007年2月には会話帳の最終編集作業等のためベルリンとペテルブルグへ出張した。会話帳は、年度末に出版した。 5.栗林は、トルコ語の複合動詞についての分析を行なった。ウイグル語カシュガル方言の基礎語彙についての調査を行なった。 6.藤家は、トルコ共和国においてTatarca, Kalacayca, Nogaycaと呼ばれる言語を調査した。調査の結果、これらの言語がキプチャクグループに属することが明らかになった。また、これらの言語の使用の実態とトルコ語からの影響を調べた。 7.研究協力者の大崎は、キルギス人研究者の協力を得て英雄叙事詩「マナス」テキストの言語学的研究に取り組み、とくに再帰動詞について研究調査を行なった。 8.研究協力者の川澄は、2006年8月から9月にかけて、中国青海省西寧市において漢語西寧方言の現地調査を実施した。 9.研究協力者の松岡は、2006年9月に中国北京市において、モンゴル語のアスペクトの調査を行なった。 10.研究協力者の吉田は、トルコ、イスタンブルにおいてユダヤ・スペイン語に関する文献収集と調査を行なった。スペイン、バスク地方アスペイティアにおいて、バスク語アスペイティア方言の名詞のアクセントの調査を行なった。
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Research Products
(15 results)