2008 Fiscal Year Annual Research Report
河姆渡文化研究の再構築-余姚田螺山遺跡の学際的総合調査-
Project/Area Number |
18251009
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 慎一 Kanazawa University, 歴史言語文化学系, 教授 (80237403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 三男 東北大学, 植物園, 教授 (80111483)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)
金原 正明 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (10335466)
宇田津 徹朗 宮崎大学, 農学部, 准教授 (00253807)
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Keywords | 考古学 / 先史学 / 学際研究 / 河姆渡文化 / 田螺山遺跡 / 国際研究者交流 / 中国 |
Research Abstract |
今年度は4度にわたり延べ10名が訪中し、計4週間を実地調査に費やした。調査の主体を占めたのは田螺山遺跡であるが、併せて関連遺跡の踏査等をも実施した。具体的には、各種出土遺物の観察・実測・写真撮影、木器・木製品の樹種同定、魚骨の同定、土壌試料の花粉・珪藻・プラントオパール分析、土器付着炭化物の放射性炭素年代測定などからなる。これら一連の調査・分析から得られた主な成果は以下の通りである。 河姆渡文化前期「魚骨坑」出土の魚骨はそのほとんどがコイ科によって占められること、中でもフナが圧倒的に多いことが明らかとなった。また、その体調分布から、産卵期に岸辺に集まったものを集中的に捕獲したものと判断された。 河姆渡文化中期層から一括出土した根株がツバキ属であると同定された。人為的に植栽されたと考えられることからチャノキ(茶)である可能性がきわめて高いと判断される。茶樹栽培の起源を探るうえで画期的な発見といえる。 11月に2008年度上半期までの研究成果報告書を中国語で出版した。それに合わせ、同月、杭州市(中国)と金沢市で研究成果報告会を開催した。関連学界はもとより、マスコミからも大きな反響があり、新聞・雑誌等で数多くの報道がなされた。また、関連研究者から新たな共同研究の申し入れもあり、今後の研究の深化が期待できる。
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Research Products
(7 results)