2009 Fiscal Year Annual Research Report
河姆渡文化研究の再構築―余姚田螺山遺跡の学際的総合調査―
Project/Area Number |
18251009
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 慎一 Kanazawa University, 歴史言語文化学系, 教授 (80237403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 三男 東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (80111483)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)
金源 正明 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (10335466)
宇田津 徹朗 宮崎大学, 農学部, 准教授 (00253807)
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Keywords | 考古学 / 先史学 / 学際研究 / 河姆渡文化 / 田螺山遺跡 / 国際研究者交流 / 中国 |
Research Abstract |
今年度は主に4年間の研究成果のとりまとめを行った。 海外調査については、2度にわたり延べ5名が訪中し、計17日間を実地調査に費やした。田螺山遺跡出土遺物の補足調査と関連遺跡の踏査を実施した。 日本国内では、放射性炭素年代測定、出土木製品の樹種同定、漆塗膜分析、出土ツバキ属樹木根株のDNA分析などを実施した。これら一連の調査・分析から得られた主な成果は以下の通りである。 1)日中両国の複数の研究機関により実施された放射性炭素年代測定の結果は概ね整合的であった。一部に層位との逆転などがみられるものの、遺跡全体の存続期間を紀元前5000~3500年とほぼ確定することができた。 2)田螺山遺跡前期層出土の円筒器表面にみられる塗膜が黒漆であることが判明した。特に上塗り漆に黒色顔料を混ぜる技法は日本の縄文時代にはみられないもので、中国独自の技法といえる。 3)ツバキ属樹木根株にはすでにDNAが残存しておらず、遺伝学的な樹種同定は不可能であった。 これらの分析・研究と並行して、研究成果報告書の執筆・翻訳・編集を進めた。2月には中国から共同研究者4名を日本へ招聘し、研究成果発表会を開催するとともに、研究成果報告書に関する最終的な打ち合わせを行い、その内容を確定した。年度末の3月下旬に、その研究成果報告書(総267ページ)を刊行した。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
中村慎一
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Journal Title
『弥生時代の考古学1弥生文化の輪郭』(分担 :「中国長江流域の稲作文明と弥生文化」)(同成社)
Pages: 21-34