2006 Fiscal Year Annual Research Report
戦略的環境アセスメントにおける参加制度と手法の国際比較
Project/Area Number |
18252003
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原科 幸彦 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (20092570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂野 達郎 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 助教授 (40196077)
錦澤 滋雄 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (70405231)
井関 崇博 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (50432018)
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Keywords | 戦略的環境アセスメント / 住民参加 / 合意形成 / 社会文化的コンテクスト |
Research Abstract |
1)参加制度と手法に関する調査枠組みの構築 米国、英国それぞれの行政制度、計画制度の文献調査から、参加制度と手法のコンテクストに該当する事項を抽出し、整理を行った。その結果、コンテクストとしては制度的なもの、社会的なもの、また前者に関しては行政制度一般のものと、計画領域毎に形成されているものを区別した。次に、両国に関して具体的に調査対象とする州の選定を行った。前者に関しては米国内においても先進的とされる取り組みがなされているとの観点からワシントン州を、後者に関してはわが国と類似する問題状況にあるとの観点から南東イングランド州を選定した。 2)米国における参加制度と手法に関する調査 連邦政府の機関としては環境諮問委員会や環境保護庁をはじめ各計画を担当する事業機関を、州内の機関としては州政府の環境局と各事業機関、州内の郡・市などの自治体を対象に聞き取り調査を行った。この調査から、SEAに特化した制度的枠組みの構築を目指す取り組みや、計画策定と影響評価の両過程を統合する取り組みなど、わが国にはまだ見られない実践が把握された。また、上位計画における意思決定の透明性を確保する仕組みについては、情報公開法や官民双方に醸成された情報公開の意識が背景として指摘できることが確認された。 3)英国における参加制度と手法に関する調査 参加制度と手法に関する調査の第一段階として、SEA制度と統合された計画制度の実態を既存文献を基に調べ、その結果を計画行政学会で発表し、該当分野の専門家と意見交換を行った。論点を整理した後、第二段階として、中央改府、地方計画庁、法定協議機関、現地大学の専門家などにヒアリング調査を実施した。その結果、参加に関する方法書案の公表と第三者機関の介在による方法書案の修正など、恣意性を出来るだけ排除する仕組みが重厚なことや主務機関の裁量権が限定されていることなどの特徴が明らかになった。 4)本年度のまとめ 米国ワシントン州のアセスメント制度について計画行政学会に投稿したほか、英国については日本計画行政学会や環太平洋地域学会で発表した。また、2007年度の国際影響評価学会に研究成果を発表する。
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Research Products
(1 results)