2008 Fiscal Year Annual Research Report
MOAII1.8m望遠鏡によるマイクロレンズ事象の探索
Project/Area Number |
18253002
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 文雄 Nagoya University, 太陽地球環境研究所, 准教授 (80184224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (80202323)
齋藤 敏治 東京都立産業技術高等専門学校, 教授 (40259833)
大西 浩次 長野工業高等専門学校, 准教授 (20290744)
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Keywords | 宇宙物理 / 天文 / 惑星起源・進化 / 惑星探索 |
Research Abstract |
平成20年度は、引き続き銀河中心およびマゼラン雲のマイクロレンズ観測を実施した。銀河中心方向には、リアルタイム解析により477個のマイクロレンズ事象を発見し、ホームページやメールを通じて世界中にアラートを発信し、追尾観測を呼びかけた。追尾観測網と協力して観測とリアルタイム解析を行い、惑星発見の可能性の高い高増光率およびアノーマリ(変位)のある事象約20個を見つけ、集中的な観測を実施した。現在、鋭意解析を行っており、すでに有力な惑星候補MOA 2008-BLG-310の解析をほぼ終えている。また、マゼラン雲のリアルタイム解析を開始し、アラートの準備を進めている。 また2007年以前の事象も含めて解析を続行しており、OGLE 2005-BLG-71とMOA 2007-BLG-400から木星質量の惑星が発見された。また、MOA 2007-BLG-192からは、主星がほぼ褐色矮星質量で惑星が地球質量の3倍程度の極めて小さな惑星系が発見された。この事象は非常に速く、天候等の問題もあって事前のアラートと追尾観測なしに惑星が発見されており、MOAの高頻度観測の威力をまざまざと見せ付けるものだった。これらの成果は、論文のほか1月にパリで行われたマイクロレンズ国際会議、天文学会・物理学会などで発表している。 こうしたデータ解析には、広大なパラメータ空間の中からデータを良く記述しうる最適な解を求める必要がある。こうした計算には、膨大な計算処理能力を必要とし、惑星候補の発見が増えるにつれ、処理能力が不足する様になっている。今年度は、新たに計算機を購入し、解析のための処理能力を強化した。
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