2009 Fiscal Year Annual Research Report
MOAII1.8m望遠鏡によるマイクロレンズ事象の探索
Project/Area Number |
18253002
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 文雄 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (80184224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (80202323)
大西 浩次 長野工業高等専門学校, 一般科, 教授 (20290744)
斉藤 敏治 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 教授 (40259833)
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Keywords | 宇宙物理 / 天文 / 惑星起源・進化 / 惑星探査 |
Research Abstract |
ニュージーランド・マウントジョン天文台に設置した1.8m望遠鏡と大型CCDカメラによるマイクロレンズ探索を、引き続き実施した。リアルタイム解析を行うことにより、進行中のマイクロレンズ事象を発見し、追尾観測グループにタイムリーな観測を呼びかけた。銀河中心方向のマイクロレンズとあわせて、マゼラン雲方向のマイクロレンズ探索とリアルタイム解析を行い、2個の事象候補を発見した。今シーズンのデータから、これまでに4個の惑星候補を発見し、詳細な解析を実施中である。観測と平行して、CCDカメラを冷却するための冷凍機を新しいものに交換し、夏場の温度上昇をおさえることに成功した。また、観測中のフィルター交換を可能にするための遮光装置の改良を行い、テストを実施した。 昨年度までに取得したデータの解析も順調に進み、MOA-2009-BLG-319事象に土星より軽い惑星が発見された。一方、タイムスケールの小さな事象を解析して、木星質量程度の浮遊惑星が星の数と同程度存在することを発見した。また、惑星の検出効率を求め惑星分布を決定するためのシミュレーションも進行中てある。マゼラン雲方向のデータ解析も進展し、これまでのデータから4個の事象候補を発見した。これまでのところ、ダークマターに占めるMACHOの割合は、OGLEグループの結果に近い。今後、さらに詳細な解析を行い、結果をまとめる。 一方、副産物としてこれまでの観測データから、視野内に写っているtransit惑星OGLE-TR-10Lbの解析を行い、もう一つの惑星の存在に制限をつけた。これちの成果は、マイクロレンズ国際会議や学会の他、まとまったものから順次学術雑誌に投稿している。
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