Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛尾 知雄 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50332961)
森本 健志 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (60403169)
王 道洪 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20273120)
中島 映至 東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (60124608)
林 修吾 気象庁気象研究所, 予報研究部・研究官 (20354441)
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Research Abstract |
研究初年度である本年度は,オーストラリアダーウィン地域において,広帯域干渉計の多地点観測による雷放電路の三次元可視化を行った。ダーウィン地区における乾季から雨季への移行期であり,対流活動の最活発期間である10月から12月にかけて,広帯域干渉計3機を持ち込み観測を行っている。分解能を向上させた広帯域干渉計による観測で,これまでには見られなかった詳細な枝分かれや,雲内での新しい放電過程を見出している。ネットワーク化については,実現のためのインフラ整備に着手し,その候補となる人工衛星を利用したインターネット接続の試行も行った。 一方,広帯域レーダについては,連続観測に耐えうる機器の開発を進めると共に,性能を向上させるためのデータ処理アルゴリズムやパルス圧縮法に関する考察と実験,およびプロトタイプによる機能検証を行っている。 また,電磁気力を考慮した気象予報モデル構築への初期段階として,気家庁等で用いられている非静力学モデルの応用を検討し,過去の観測データから,モデルで再現された雷雲構造と,広帯域干渉計で観測された発雷位置との比較を行い,雷雲内の中でも,発雷箇所付近には,電荷分布を特徴づける粒子の存在が確認されており,発雷および帯電メカニズムの解明やモデル構築に関する手がかりを得ている。 次年度以降,広帯域干渉計による高精度な観測を継続しデータを蓄積すると共に,広帯域レーダを組み合わせたネットワーク化のインフラ整備および,広帯域レーダの開発を進める。これらの観測データは,並行して進めるモデル構築へのパラメータ提供と,データベース化,およびモデル検証に利用する予定である。
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