2007 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ最先端模擬大気チャンバーを用いたラジカル計測による大気反応機構解明
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18254001
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
梶井 克純 Tokyo Metropolitan University, 大学院・都市環境科学研究科, 教授 (40211156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 俊吾 首都大学東京, 大学院・都市環境科学研究科, 准教授 (20381452)
金谷 有剛 首都大学東京, 地球環境フロンティア研究センター, 研究員 (60344305)
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Keywords | OHラジカル / 大気寿命 / 植物起源VOC / N_2O_5 / NO_3ラジカル / 窒素酸化物除去量 |
Research Abstract |
2007年6月にユーリッヒ科学研究センターにて我々が開発したN03/N205測定装置を搬入し、大規模模擬チャンバーにおいて他の測定手法(DOAS、CRDS、DL-LIF)との比較を行った。光ファイバーの損傷によリレーザー強度を十分得られなかったことから、所期の性能は得られなかったもののおおむね妥当な観測結果が得られたことから、我々の装置の信頼性が得られた。2007年8月および12月に東京都における都市大気め診断実験を行った。夏季の観測ではNCARのGuenther博士の研究グループを招聘し、植物起源のVOCが大気の光化学過程に与える寄与につこて検討した。全VOCの5%以下であったが、OH反応性に換算した場合は10%以上の寄与が認められた。我々が開発したレーザーポンプ・プローブ法によるOH反応性測定装置による観測では約30%もの未知なる反応性が得られたことから、今後はその原因物質の特定が急がれる。2008年2月に首都大学9号館屋上において、夜間の大気の集中観測を実施した。N205の計測に加えてエアロゾルの粒径分布、数密度、化学成分分析をAMSを用いて行った。夜間のN205はエアロゾル表面に不均一反応し、硝酸となると考えられているが、ガス層からエアロゾル層への変換過程を直接実証するために行った。観測した多くの日でオゾンが消失したのでN205は観測できなかったが3日ほどN205が観測でき、エアロゾル側のナイトレートとの比較を行い、変換過程を解析している。
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