2006 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴル草原の人工構造物が絶滅危惧有蹄類の生息地を分断化する影響の評価
Project/Area Number |
18255002
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
恒川 篤史 Tottori University, 乾燥地研究センター, 教授 (60227452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高槻 成紀 東京大学, 総合研究博物館, 助教授 (00124595)
篠田 雅人 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (30211957)
伊藤 健彦 鳥取大学, 乾燥地研究センター, プロジェクト研究員 (50403374)
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Keywords | モンゴル / モウコガゼル / アジアノロバ / 衛星追跡 / 季節移動 / 絶滅危惧種 / 保全 / 環境影響評価 |
Research Abstract |
モンゴル草原を縦断する国際鉄道と中国との国境が絶滅危惧有蹄類に及ぼす影響を評価するために、平成18年度に開始する予定であったモウコガゼルとアジアノロバの衛星追跡は、最近中央アジア一帯で発生しているノイズの影響と考えられるデータ送信障害のため見合わせ、18年度中にはアンテナを改良した衛星追跡用電波発信機のデータ送受信試験をおこなった。その結果、改良した発信機ではデータの送受信が可能であることが示された。 そこで、18年度予算の繰越を申請し、19年5-6月にモンゴル中南部の乾燥草原および半砂漠地域で、モウコガゼル16頭、アジアノロバ16頭の捕獲と発信機装着をおこなった。モウコガゼルでは、モンゴル国際鉄道の東西それぞれの北部と南部の計4地域で各4頭(計16頭)の捕獲に成功したため、モウコガゼルの移動に対する鉄道の障害効果の評価を本格的におこなう準備ができた。また、南部で捕獲した個体については、中国との国境の影響も評価できる可能性がある。アジアノロバでは、モウコガゼルよりも個体数が少ないことや捕獲が困難なことから、捕獲が可能な場所に多くの個体が生息していた1地点で16頭の捕獲を試み、予定頭数の捕獲に成功した。本地域でのモウコガゼル追跡はこれまでに実績があるが、アジアノロバの追跡は初めてであるため、アジアノロバが今後どのような動きをするのかが興味深い。ただし、今回の両種の捕獲地点が離れているため、両種の生息地選択の違い等の問題に取り組むには問題が残る。今後、ほぼ同じ地域で両種を捕獲・追跡できれば生態学的により興味深い解析ができると思われる。これは次年度以降の課題とする。 また、野生有蹄類生息地の環境調査や、地元遊牧民への聞き取り調査、衛星画像、環境情報や気象データの収集をおこない、今後蓄積されていく追跡個体の位置データと合わせた解析に備えている。
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Research Products
(8 results)