2007 Fiscal Year Annual Research Report
北タイにおけるHIV伝播とエイズ病態に関する宿主遺伝子多型研究
Project/Area Number |
18256003
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
有吉 紅也 Nagasaki University, 熱帯医学研究所, 教授 (30311400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 達雄 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00187329)
松田 文彦 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50212220)
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Keywords | HIV感染 / ウイルス伝播 / エイズ病態 / 宿主遺伝子多型 / タイ |
Research Abstract |
本研究は、「HIV伝播とエイズ病態のメカニズムを解明すること」を最終目標に、タイ国において進行中のランパン病院HIVコホート研究をさらに継続・発展させ国際的に高いレベルの臨床疫学フィールドを運営・維持させるとともに、日タイ国際共同研究チームを組織して、このコホートから得られた検体と情報を用いて種々の宿主遺伝子多型研究を実施することにある。当初の平成19年度計画では、京都大学ゲノム医学センターとの共同で免疫に関する180遺伝子に限定した480箇所のSNP解析を実施する予定であった。しかし、最新のSNP解析技術、価格改変および同領域に関わる論文・国際学会発表の内容を勘案して、本年度に実施を計画していた宿主遺伝子多型解析については再検討することとなった。特に、平成19年度中に欧米の国際研究組織(CHAVI)による世界最大級のHIVコホートを対象群としたゲノムワイド解析の結果が発表され、MHC領域がエイズ病態の進行と際立って強い相関があることが判明した。さらに、MHC領域外に病態と関連する新たな遺伝子領域を証明するには、サンプルサイズが数千〜万必要であると憶測された。これらのことから、本研究の遺伝子多型解析戦略は広く粗くスクリーニングする方針(ゲノムワイドSNP解析)から、MHC領域で最も重要であるHLAクラスI遺伝子多型を4桁レベルの高分解能で解析する方針へ方向転換させた。その結果、平成19年度の繰越により、ランパン病院HIV感染者824名およびHIVに暴露されたが抗HIV抗体陰性配偶者105名のHLAクラスIAおよびIB遺伝子のアリールが4桁レベルで同定された。現在臨床経過との相関を解明すべく結果の解析を進めている。
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