2008 Fiscal Year Annual Research Report
北タイにおけるHIV伝播とエイズ病態に関する宿主遺伝子多型研究
Project/Area Number |
18256003
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
有吉 紅也 Nagasaki University, 熱帯医学研究所, 教授 (30311400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 達雄 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00187329)
松田 文彦 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50212220)
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Keywords | HIV感染 / ウイルス伝播 / エイズ病態 / 宿主遺伝子多型 / タイ |
Research Abstract |
本研究は、「HIV伝播とエイズ病態のメカニズムを解明すること」を最終目標に、タイ国において進行中のランパン病院HIVコホート研究を国際的に高いレベルの臨床疫学フィールドへ発展させるとともに、日・タイ国際共同研究チームを組織して、このコホートを対象とした種々の宿主遺伝子多型研究を実施することにある。臨床疫学研究活動の成果としては、これまでのランパン病院に加えてチェンマイ県病院、チェンライ総合病院から新たなコホート対象者のリクルートに成功するとともに、(1)抗HIV薬治療普及によるHIV感染者死亡率への影響を過去10年以上にわたる患者群の生存解析から明らかにした、(2)抗HIV薬治療による日和見感染症罹患への影響を明らかにした、(3)GBV-Cウイルス感染との相互作用によるHIV病態進行への影響を明らかにした、(4)HBV, HCVウイルス重複感染によるHIV死亡率への影響を明らかにした(いずれも論文投稿準備中)。さらに、平成20年度は、本研究の遺伝子多型解析戦略をMHC領域で最も重要であるHLAクラスI遺伝子多型を4桁レベルの高分解能で解析する方針へ方向転換させ、HIV感染者合計824名およびHIVに暴露されたが抗HIV抗体陰性配偶者105名のHLAクラスIA、 B、 C遺伝子のアリールを4桁レベルで同定し、さらにはHLAクラスIIDRB1遺伝子の同定を完了させた。これまでの予備的解析結果から過去の研究結果と同様HLAホモ接合体がHIV病態のより早い進行と関連することが確認された。今後は、(1)ウイルス量と有意な相関のあるHLAアリールの解析、(2)夫婦間のHLAアリールの相違とHIV病態との関連、(3)HLAアリールと各日和見感染症罹患との関連についての解析を完遂させる予定である。
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Research Products
(5 results)