2006 Fiscal Year Annual Research Report
バングラデシュ胎児コホートを用いた、子供を取り巻く環境保健と疾病予防のための研究
Project/Area Number |
18256005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
我妻 ゆき子 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (40400676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 康 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (70234028)
野口 恵美子 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (40344882)
熊谷 嘉人 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (00250100)
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10111981)
寺尾 徹 香川大学, 教育学部, 助教授 (30303910)
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Keywords | 公衆衛生学 / 環境保健 / 感染症 / 栄養学 / アレルギー・喘息 / 気象学 / 生活習慣病 / バングラデシュ |
Research Abstract |
この研究は妊婦の栄養不全・新生児低体重が多い途上国の早期小児期における環境を、とくに栄養・アレルギー・環境汚染物質・気象にわたり総合的にモニタリングし、それを、胎児期の状況と照らし合わせ、どのような成長発育をしてゆく子供となってゆくのかを観察調査する統合研究である。妊婦-胎児4,500ペアという世界でも最大規模の、胎児期からのフォローアップコホートを使用する科学的にも貴重な研究である。また、京都大学防災研究所が保持するバングラデシュの1900年以降100年間以上の長期整備済み地上気象データベースを用いて気象変動とその疾病インパクト分析を当該研究に含めた。代表研究者(我妻)はICDDR, Bに2005年3月まで勤務し、ユニセフの低体重児削減介入研究の分担研究者であり、超音波装置による4,500人の胎児成長計測・新生児胸腺計測データは、当人が第一著者として保持している。平成18年の主な実績としては、現時点で4.5歳となっているコホートについて、出生時および乳幼児期までの特徴を分析し、今後2年間で計測が継続される4.5歳児データとの関連分析に有用な知見を引き出したことにあった。妊婦の栄養状態、胎児の発達状況と新生児アウトカムに関するデータ分析を行った。 観察妊娠週数での妊婦体重増加量や、観察妊娠週数時の妊婦栄養状態値は胎児計測値と強い相関を示した。標準曲線と比較した腹部周囲値は、常に妊娠初期から標準値よりも小さく推移し、13週を超えるとその差は有意となり、30週を超えるとさらに大きく乖離していることがわかった。 4.5歳児コホートフォローアップ計測の研究プロトコールがバングラデシュでの倫理委員会を平成18年11月に通過し、平成19年4月から、4.5歳児の小児期生命応答プログラミング研究の、データ収集が開始された。今後18ヶ月間でデータ収集修了を予定している。
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Research Products
(6 results)