2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18300004
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 雅史 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (00135419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定兼 邦彦 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (20323090)
小野 廣隆 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教 (00346826)
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Keywords | 巨大分散システム / 安定性・信頼性 / センサーネットワーク / 進化ネットワーク / 分子計算 |
Research Abstract |
WWWのようなソフトウェアシステムばかりでなく,群ロボットシステムのような自律分散機械システムなどを含めて,通信機能を有する複数の自律的計算主体(本申請ではエージェントと呼ぶが,対象によって計算機,プロセス,ロボット,ユニットなどと呼び分けられる)から構成されるシステムを広く分散システムと呼ぶ.分散システムのエージェント数は既にギガで測られる時代にあり,テラの時代が始まろうとしている.従来,分散アルゴリズムの設計問題はグラフ問題や2次計画問題へ帰着することが有効な手法と考えられて来た.しかし,動的な巨大分散システムでトポロジーを知ることの無謀さや故障に対する対処の困難さなどの論点を棚上げにし,さらに帰着された問題が(NP-困難ではなく)Pであったと仮定しても,本研究が対象とするような,たとえばノード数10^<10>程度の巨大なネットワークのグラフへの帰着がそもそも非現実的なのである.この事実はグラフ問題や数理計画問題への帰着という方法論に代わる新しい方法論が必要であることを示している. 本研究では三つの研究課題を設定した.まず,センサーネットワークにおける信頼度と消費エネルギーのトレードオフを検討することがあった.今年度はこの目的を達するためにセンサーネットワークの観測領域とネットワークの信頼性に関する関係について議論を行った.第2に,WWWからの情報検索を検討した.昨年度提案したプロトコルは高速であるものの,対象のネットワーク構造によっては非常に大きなメモリを要することがある.今年度は昨年度提案したプロトコルに基づき省メモリプロトコルを提案し,その性能について理論的観点から議論を行った,結果としてそのプロトコルではネットワークのサイズnに対してO(log^2n)程度しかメモリを必要としない. 最後に,分子計算の効率的なアルゴリズムの設計論を検討した,局所探索に基づく配列設計法を提案したが,提案手法で用いた高速な実装のテクニックは他の局所探索型アルゴリズムでも有効であることが計算実験を通して確認できた。
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Research Products
(9 results)