2006 Fiscal Year Annual Research Report
次世代PCクラスタを活用する超大規模仮想メモリ空間支援システムの研究
Project/Area Number |
18300006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 裕 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (70345122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 三久 筑波大学, システム情報工学研究科, 教授 (60333481)
朴 泰祐 筑波大学, システム情報工学研究科, 教授 (90209346)
秋山 泰 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (30243091)
松葉 浩也 東京大学, 情報基盤センター, 助教 (30444095)
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Keywords | オペレーティングシステム / 並列分散システム |
Research Abstract |
デスクトップPCで1テラバイトメモリ空間が利用できれば、科学技術計算などのアプリケーションの問題サイズを上げることが出来き、計算科学の分野に甚大なる貢献ができる。しかし、物理メモリ数GBしかないPC上で1TBのメモリ空間をアクセスするには、2次記憶(ディスク)を使い、ページ単位でのメモリ退避復帰を行なわなければならない。ディスクアクセスはミリ秒単位かかる。メモリワーキングセットが物理メモリに収まらないとページ退避復帰が頻繁に行なわれ、処理性能が著しく低下する。このため、1TBのメモリ空間をアクセスするプログラムは現実的時間内に終了しない。 平成18年度、スワップデバイスとしてリモートコンピュータ上のメモリを利用する新しいリモートページングシステムDistributed Memory Paging System(DMPS)を提案し予備実験を行なった。DMPSは、Linux2.6カーネル上にMyrinet-10G 10G EthernetのMXライブラリを利用してLinux上のブロックデバイスとして実装されている。従来のネットワークブロックデバイスと異なり、スワップ時のメモリ枯渇状態においても通信が可能となるように動的メモリ割当をなくした。Linuxのページは4キロバイト単位である。ネットワーク経由でのページ単位転送はオーバヘッドが大きくネットワーク物理性能を有効に使えない。そこで、スワップイン/アウト時に、要求毎にページ転送するのではなく、複数ページ単位で転送するようにした。読み込み性能についてはハードディスクに比べて2倍の性能を得たが、書き込み性能はハードディスクとの差が見られなかった。今後、スワップ機構を含めた改良を行なう。
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