Research Abstract |
平成18年度の研究計画に基づき,研究環境を整備し,カーネルの基本動作に基づく以下の研究を実施した. 1.開始処理については,OS走行に必要となるハードウェアの初期化とカーネルやユーザプログラム実行のための初期化処理を実現した. 2.割り込み・例外処理については,割り込みや例外処理部を作成し,タイマや通信デバイスの割り込みの処理を実装した.これにより,周期タイマの利用やイーサネットを利用した通信の基本部分を実現した. 3.領域管理については,環境への適応性と,障害への頑健性を有するカーネルを実現するために,メモリ領域のマッピング方式を設計した. 4.プログラム実行制御については,マルチプロセス環境を実現し,優先度によるスケジューリング機構を実現した.また,ドライバのプロセス化も試作し,OSのサービスをプ白セスとして動作させる基本機構を設計した. 5.時計の制御については,タイマ割り込み処理を実現し,優先度に基づくプロセスのスケジューリングを実現した. 6.ユーザプログラム実行については,環境に適応してプログラムの実行を制御する方式を設計した.また,OS起動後にコマンドインタプリタを起動し,コマンドが実行できることを確認した. 7.コンソール管理については,キーボード入力を実現した. また,領域管理において,ゼロコピー通信を実現するためのメモリ領域を実現し,その基本性能評価を行い,効果を明らかにした.この機能により,プロセス間で高速な通信を実現できることを確認した.さらに,実現したイーサネットドライバ(NIC制御部分)を用いた通信性能の基本評価を行い,マイクロカーネル構成における性能分析を行った.
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