2006 Fiscal Year Annual Research Report
実行パス情報に基づき自律的に最適化を行う高性能チップマルチプロセッサの研究開発
Project/Area Number |
18300014
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
馬場 敬信 宇都宮大学, 工学部, 教授 (70092616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 隆史 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (90334078)
大津 金光 宇都宮大学, 工学部, 助手 (00292574)
古川 文人 宇都宮大学, 工学部, 助手 (50407889)
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Keywords | 高性能計算機システム / チップマルチプロセッサ / パスベース最適化 |
Research Abstract |
平成18年度においては、本研究で提案している「2パスまでに限定した投機的マルチスレッド実行モデル」の具体化に向けて以下の研究を実施した。 (1)低オーバヘッドなパスプロファイリング機構の研究開発 ハードウェアの支援により、時間的なオーバヘッドを抑えつつパスプロファイリングを可能とする機構のプロトタイプを研究開発した。本機構は、ホットループ中のホットパスを自動的に検出して、ソフトウェアの最適化機構に提供するものであり、本研究の基盤となるものである。シミュレーションによる評価により、ホットループ中のホットパスは平均的に2本程度に絞られることが確認され、改めて本研究で提案している2パスまでに限定した投機的マルチスレッド実行の有効性が確認された。 (2)限定したパスに沿った最適化の研究開発 ホットなパスに関する情報を活用して最適化を図る方法について検討し、その効果を実験的に検証した。この結果、パスの局所性を活用することによって、データ依存関係等最適化の障害となる制約が緩められ、並列化の可能性が向上できることを明らかにした。 (3)パス予測に基づく投機実行を支援するチップマルチプロセッサの研究開発 パス予測に基づく投機実行の計算モデルを実現するためのチップマルチプロセッサの設計を行い、そのプロトタイプシステムのソフトウェアシミュレータ、およびFPGAプロトタイプの試作に着手した。 以上の成果は、添付した学協会誌論文、国際会議論文、口頭発表により公表した。また、本研究の核となる着想を「自己最適化演算装置」として特許申請していたが、この特許が2006年11月17日付けで登録された。
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