2008 Fiscal Year Annual Research Report
実行パス情報に基づき自律的に最適化を行う高性能チップマルチプロセッサの研究開発
Project/Area Number |
18300014
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
馬場 敬信 Utsunomiya University, 工学研究科, 教授 (70092616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 隆史 宇都宮大学, 工学研究科, 准教授 (90334078)
大津 金光 宇都宮大学, 工学研究科, 助教 (00292574)
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Keywords | 高性能計算機システム / チップマルチ.プロセッサ / パスベース最適化 |
Research Abstract |
20年度における研究成果を以下に要約する。 1.ループ内のパス(以降,ループパス)に限定したパスプロファイラの研究開発を継続的に行った。本パスプロファイラは,ループパスを検出するとともに,ループごとのパス数を計数して,ホットループの検出を同時に行い,ホットループが検出された時点において蓄積したループパス情報を出力する。本プロファイラを用いた実験により,小規模のハードウェアによって,1~2位パスが高精度で検出可能なことを明らかにした。 2.1.で研究開発したループパスプロファイラを用いた実験により,SPECCINT2000の8つのベンチマークプログラムにおける上位5位までの全40個のホットループ中,実に39個のホットループにおいて上位2本までのホットパスが80%以上を占めていることを明らかにした。 3.ループパスに沿った投機コードの生成アルゴリズムを明らかにし,このアルゴリズムに基づくコードジェネレータを研究開発した。 4.2パス限定投機コードを実行するチップマルチプロセッサアーキテクチャを設計し,そのシミュレータの研究開発を行った。本プロセッサは,投機的なマルチスレッド実行を支援するための,プロセッサ間のデータ転送機構,投機的なメモリアクセス機構などの機能に加えて,パスの予測機構と予測に基づく投機的な実行機構を備えている。 5.提案システムにおける性能改善の見積り実験を行い,非投機実行と比べて,1.5~3.0倍の高速化が達成できることを明らかにした。 これらの成果は、添付した学協会誌論文,国際会議論文、口頭発表により公表した。この中で,国際会議発表においてBestPaperAwardを1件受賞し,国内学会の口頭発表により学生奨励賞を1件受賞している。
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