2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18300041
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
脇田 建 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 助教授 (10242265)
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Keywords | 色覚障碍 / 再配色 / 障碍者支援 / GUI |
Research Abstract |
平成18年度は、主に色覚障碍者向けの再配色エンジンの開発とその高速化を行った。一般に、色覚障害が生じるのは、文書に彩色を施した人物の彩色意図が、その文書を読む色覚障碍者に伝達されないことが原因である。本研究では、まず彩色を施した人物の彩色意図を識別性、コントラスト、自然性の3種を混合した数式としてモデルした。これを色覚障碍者が見たときの色彩効果に変換し、効果が彩色意図を最も適切に反映する最適化を行う。これまでの研究では、最適化にかかる計算量が膨大となり、実時間内での計算が困難だった。今年度の研究では、非線形多変量となる最適化の目的関数に近似式を与え、従来、Simulated Annealingを用いていた最適化の計算をレプリカ交換法を用いて再実装することにより、最適化の結果と精度を共に改善することに成功した。また、色彩科学に関するシステムの構築には、光学を始めとする物理学、眼の構造にかかる生理学、脳に関わる心理学、およびその周辺のさまざまな技術標準を扱う必要がある。18年度の研究成果として、色彩科学における主要な技術を平易なプログラミングAPIにまとめあげたことが挙げられる。このAPIは、色彩科学の分野に詳しくない人にも色盲変換のような効果を簡単にプログラムできるように設計されている。
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