2006 Fiscal Year Annual Research Report
医療従事者と患者の対話可視化による意思疎通支援システムの研究
Project/Area Number |
18300048
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
間瀬 健二 名古屋大学, 情報連携基盤センター, 教授 (30345855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 一信 名古屋大学, 医学(系)研究科, 教授 (90126912)
平野 靖 名古屋大学, 情報連携基盤センター, 助教授 (90324459)
勝山 貴美子 大阪府立大学, 看護学部, 助教授 (10324419)
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Keywords | NBM / 医療面接 / 対話可視化 / コミュニケーション支援 / 概念空間 / マルチモーダル対話 |
Research Abstract |
1.ナラティブ・ベイスト・メディスン(NBM)に基づいた医療面接の分析を行い、優れた医療対話の実践を支援する手法の開発を行った。開発した手法は知的情報処理を応用し、医療対話中の医師と患者の概念の交流状況を可視化し、面接を行った医師自身の面接の問題点等への気づきを促す。また、同可視化手順を自動化するシステムを試作し、医学書中の面接例および別課題で収集した臨床面接に対して事例分析を行い次の結果を得た。(1)優れた医療面接において(人手による対話分析の知見と一致する)NBMの実践のプロセスが現れた。(2)プロセスとの比較により、面接の問題点が面接ごとの文脈に位置づけて解釈された。(3)医師と患者の病気の捉え方が可視化結果から読み取られた。 2.開発した手法の有効性評価の準備として、名古屋大学SP研究会医療面接セミナーにおいて、医学生と模擬患者(SP)による模擬面接と面接のレビューの様子を音声、映像にて収集した。得られた面接と面接に対する評価の書き起こしと会話場面のタグつけを行い、対話をデータベース化した。 3.医療面接において信頼関係の構築などに影響するマルチモーダル情報の分析に関して、初期検討を行った。2のデータを対象に、医療面接を4種類(OPEN、CLOSED、SUMMARY、OTHERS)にカテゴリ分けした会話場面の連なりと捉え、各場面と非言語情報(発話時間・頷きなど)の出現状況の関係を決定木を用いた機械学習によってモデル化した。得られたモデルを用いて非言語情報のみから会話場面の推定を行ったところ約70%の推定精度を得た。また、得られた決定木の階層構造は、各場面の直感的な解釈に一致した。推定誤差の一部は言語情報と非言語情報のずれや話者の特徴(個性)として面接のレビューにおいて注目される場面に現れた。
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Research Products
(3 results)