2006 Fiscal Year Annual Research Report
多元観測信号を用いた音信号の予測及び復元に関する研究
Project/Area Number |
18300064
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
板倉 文忠 名城大学, 理工学部, 教授 (30168299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂野 秀樹 名城大学, 理工学部, 講師 (20335003)
河原 英紀 和歌山大学, システム工学部, 教授 (40294300)
西野 隆典 名古屋大学, 情報メディア教育センター, 助手 (40329769)
戸田 智基 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (90403328)
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Keywords | 音声信号処理 / 音響信号処理 / スペクトル / 信号回復 / モデル化 / 雑音重畳 / マイクロホン / 頭部伝達関数 |
Research Abstract |
今年度は、様々な劣化や変化を含む信号を収録し、その劣化や変化のモデル化について検討した。今年度収録した主なものとしては、(1)車内騒音が重畳された音声、(2)話速の異なる音声、(3)歌唱音声や感情音声の様々なバリエーション、(4)音楽圧縮による劣化を含む音楽信号、(5)異なるマイクロホンにおける特性、(6)収録条件の異なる頭部伝達関数などが挙げられる。 (1)では、音声認識システム及び被験者を用いた書き取りによる認識実験を行った。ここでは、車内騒音を近似するモデル騒音を作成し、認識率の傾向に違いがあるかを検討した。その結果、モデル騒音により、車内騒音をほぼ近似できることが明らかとなった。(2)では、同一話者、同一文章で、話速を変えて発声した音声を収録し、分析を行った。その結果、音素によって話速の変化に違いがあることが明らかとなった。(3)では、音程やテンポの異なる歌唱音声や、感情の度合いの異なる感情音声を収録し、分析を行った。この中で、スペクトル変化のモデル化に関する検討を行い、一定の成果が得られた。(4)では、MP3やWMAなどの楽音符号化を用いて音楽信号を圧縮し、劣化させたものを作成した。線形回帰に基づく手法を用いることにより、この劣化の程度を数値化することに成功している。(5)では、様々なマイクロホンの特性を測定し、その違いについて分析を行った。その結果、マイクロホンが特有の周波数特性を持つだけでなく、特有の非線形歪みを持っていることが明らかとなった。この非線形歪みは、マイクロホンの個性につながっている可能性があり、今後、この特性のモデル化を行う予定である。(6)では、頭部伝達関数の測定において、マイクとスピーカの距離を変化させて測定を行った。分析の結果、距離によってスペクトルに若干の違いは表れるものの、明確な傾向は見られなかった。今後、聴感上の距離感がどのように変わるかについて検討する。
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