2008 Fiscal Year Annual Research Report
多元観測信号を用いた音信号の予測及び復元に関する研究
Project/Area Number |
18300064
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
板倉 文忠 Meijo University, 理工学部, 教授 (30168299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂野 秀樹 名城大学, 理工学部, 准教授 (20335003)
河原 英紀 和歌山大学, システム工学部, 教授 (40294300)
西野 隆典 名古屋大学, 情報メディア教育センター, 助教 (40329769)
戸田 智基 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (90403328)
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Keywords | 音声信号処理 / 音響信号処理 / スペクトル / 声道断面積関数 / モデル化 / 頭部伝達関数 / 信号回復 / 歌唱音声合成 |
Research Abstract |
音声における様々なバリエーションを収録し、分析やモデル化、モデルの高精度化、モデルに基づく合成音の高品質化などを行った。具体的には、テンポや音高、音圧レベルなどの異なる歌唱音声、話速の異なる音声、明瞭度を意図的に制御した発声などについて分析し、多くの知見が得られた。 モデル化に用いる手法としては、昨年度より検討している声道断面積関数に基づく手法に関して大きな進展が見られた。これまでの声道断面積関数抽出手法では、サンプリング周波数が11.025kHz以下の場合などのように、ある程度低い場合には、安定した特性が得られるものの、サンプリング周波数が高くなるに従って安定した特性が得られなくなっていくという問題点があった。この問題を解決する手法として、音声信号を帯域分割し、それぞれの帯域においてLSP(線スペクトル対)を求め、求めたLSPを結合してPARCOR係数に変換後、声道断面積関数を求める手法を開発した。これにより、声道断面積関数の抽出において、極めて安定した特性が得られるようになり、歌唱音声における音圧レベルによる声道断面積関数の変化の観察などにおいて、従来手法では観察できなかった違いが観測できるなどの成果が得られた。また、この手法に基づく声質制御手法については、従来法を上回る品質が得られることが確認された。 その他、音響関連でも、様々なバリエーションを収録し、分析・モデル化・合成等の検討を行った。具体的には、アコースティックギターの違いによる音響特性の違いのモデル化・再現手法の検討、室内伝達特性における収録位置による特性変化についての検討、アナログレコードの時間的なゆらぎ特性のモデル化と、時間的なゆらぎを含まないものとの距離尺度についての検討などを行った。
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