2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18300066
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 孝明 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, セルエンジニアリング研究部門, 主任研究員 (20344187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣野 順三 独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門, 主任研究員 (50357878)
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Keywords | アルゴリズム / 人工知能 / 先端機能デバイス / 分子認識 / モデル化 |
Research Abstract |
1)個体のニオイ識別における要素情報強度の評価 第一段階として、1組の光学異性体、スペアミント様ニオイを有すR(-)カルボンとキャラウエイ様ニオイを有すS(+)カルボンおよび、それぞれを構成要素とする複合臭1ペアを用い、Y迷路を用いたマウスの行動実験で識別能を調べた。その結果、溶媒とR(-)カルボンの識別が最も容易で、両カルボンペアおよび両カルボンを主成分とした複合臭ペア1種は同程度の正解率で識別できること、および、トレーニングに用いた単体成分を手掛かりに識別を行っていることが分かった。これと並行して、3種のガス用の3経路に設置された高速動作型マスフローコントローラ合計11台をコンピュータ制御することにより、希望する比率の2成分混合刺激を自動的に作成し、8秒サイクルで2秒間提示し識別させる鼻挿入穴選択型行動実験システムの設計および試作を行った。その結果、各部品の動作および2段階希釈の各段階での合計流量が一致し、設計通りに試作できていることが確認された。 2)嗅覚レセプタの単体成分と複合成分臭への応答性の相違 複合成分化における効果の一つである競合阻害による応答への影響を調べるため、機能発現に成功しているジカルボン酸に応答する嗅覚レセプタの応答性を解析し、アンタゴニストを見出した。この同系統分子シリーズではリガンドと分子構造の類似性が最も高くなる分子が最も応答を低減させる効果を持つ事が分かり、味と匂学会および生理学会で発表した。カルボン応答レセプタを機能発現させる試みとして、培養細胞を用いた嗅覚レセプタ機能発現の発現効率を向上が期待されるレセプタの改変を1例試みたが、応答性は得られなかった。引き続き方式を変えてレセプタの改変による機能発現効率の向上を実験的に検討する。また、最近、RTP1の一部のみを発現させる改良が発現効率を高めると報告されたので、これを試みる準備を進めた。
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