2006 Fiscal Year Annual Research Report
舌その他の音声器官の三次元動的有限要素法を用いた音声生成の研究
Project/Area Number |
18300069
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Research Institution | Kobe Kaisei College |
Principal Investigator |
桐谷 滋 神戸海星女子学院大学, 文学部, 教授 (90010032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 信弘 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (30002314)
元木 邦俊 北海学園大学, 工学部, 教授 (80219980)
松崎 博季 北海学園大学, 工学部, 助手 (60305901)
正木 信夫 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 認知情報科学研究所, 研究員 (40181630)
竹本 浩典 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 認知情報科学研究所, 研究員 (40374102)
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Keywords | 音声生成モデル / 舌モデル / 声道モデル / 有限要素法 |
Research Abstract |
本年度は6月に国際高等研究所において第1回研究集会、9月にATR研究所におけるMRIデータの収集実験、3月に北海学園大学において第二回研究集会を開催し、舌の有限要素法モデル構築の検討を進めた。舌変形計算モデルについては筋肉組織の収縮時の動的特性をモデルに取り込むため、筋肉組織について少なくとも4つの内部状態パラメータを持つモデルが考案された。また、特に計算負荷の大きい非圧縮性制約の計算および内部応力の計算簡略化の方式が検討された。また変形計算の圧縮特性にかかわるパラメータの効果が検討され、非圧縮性実現のためのパラメータ値が確認された。声道の音響シミュレーションの基礎的検討では、周波数に依存した損失特性を考慮した計算方法が開発され、その出力音声への効果として声帯波の周期延長と高調派の減衰効果が確認された。また声道の伝達特性の評価に関し、非平面波伝播や鼻孔出力の干渉のため放射空間内に音圧の低い点が発生する。このことを考慮し、三次元的音響インテンシティ分布からの伝達特性計算方法が開発された。MRIによる発音動態の検討では、tagging-MRIの母音/i/における舌変形データを簡略なFEMモデルを用いて検討した結果、舌端部の横舌筋の役割が重要なことが明らかにされた。また/ai/,/ia/発話時の声道の分岐管としての歯冠腔の音響的影響について、零点がフォルマントを打消し音声スペクトルの急激な変化を生ずる場合のあることが解った。口唇形状については円唇化と突き出しの2要素があり、MRI画像より口唇筋の三次元形状を解析した結果、おのおのに口唇周囲筋と口唇内筋が関与していることが確認された。
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Research Products
(4 results)