2008 Fiscal Year Annual Research Report
舌その他の音声器官の三次元動的有限要素法を用いた音声生成の研究
Project/Area Number |
18300069
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
三木 信弘 Future University-Hakodate, システム情報科学部, 教授 (30002314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元木 邦俊 北海学園大学, 工学部, 教授 (80219980)
松崎 博季 北海道工業大学, 創生工学部, 講師 (60305901)
正木 信夫 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 認知情報科学研究所, 研究員 (40181630)
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Keywords | Tongue model / FEM simulation / Articulation / Vocal tract acoustics / MRI |
Research Abstract |
国際電気通信基礎技術研究所(ATR)において開発されたMRI測定法により、発音中の舌筋の動きを観測できるようになった。日本語母音/e/から/i/に遷移する調音運動において、オトガイ舌筋の活動を測定し、測定データを元に有限要素法(FEM)による舌の運動シミュレーションを行った。 これにより、舌根、舌端、舌高の移動の特徴が明らかにされた。FEMの舌のモデルでは、従来とは異なり粘性と弾性を考慮した数式モデルを用いた結果、観測実験とシミュレーション結果に関して舌の運動のパターンが良く一致した。これらの成果から、本研究で提案されたモデルの有用性が確かめられた。 声道の音響モデルに関する研究では、声道中の音響伝搬定数が周波数依存性がある損失特性のある点に着目し、声帯により発生した音源波形が声道中の伝搬損失により影響を受ける効果を計算可能なモデルを検討した。音響伝搬系を損失のある分布定数回路と等価なモデルで近似し、これを時間領域で近似可能なフィルタの構成方法を求めた。これにより時間領域での正確な計算が可能となり、音源波形は、従来の定説より損失効果の影響により声道特性との結合が弱くなり、立ち上がりが滑らかになる事を明らかにした。 MRIデータから声道の3次元形状を抽出する過程に於いて、複雑な声道表面の形状を3次元グラフィックスで表示するアルゴリズムを開発した。陰関数による複雑な表面形状を近似し、近似関数から表面を区分的に近似する楕円レンズの重ね合わせによる表示アルゴリズムを作成した。これにより声門付近の非常に複雑な形状を処理できるようにした。 複雑な3次元形状を持つ声道内のFEM音響解析は、形状からメッシュを作成するのが容易ではない。そこで、メッシュを作成することなく、解析できるメッシュフリー法による有限要素法のアルゴリズムを開発したLocal Petrov-Galerkin法を導入し、アルゴリムの開発を行い、モデル実験により有用性を確かめることが出来た。
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Research Products
(11 results)