2006 Fiscal Year Annual Research Report
人間の力感覚メカニズムの解明と力感覚通信の実現可能性について
Project/Area Number |
18300073
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
薮田 哲郎 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (30323926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 健 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助手 (10282956)
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Keywords | 力感覚 / ハプティックインタフェース / 錯覚 / コミュニケーション / バーチャルリアリティ / 触知覚メカニズム |
Research Abstract |
本研究は、バーチャルリアリティ分野の力感覚提示装置であるハプティックインタフェースを用いて、力感覚の基本特性の解明、触知覚錯覚メカニズムの解明、さらには力感覚通信への展開を目指している。 力感覚の基本特性の解明については、人間が手の運動を伴った場合について、対象物重量が急激に微小変化した時の運動と力感覚についての検討を行なった。力感覚の弁別閾については、運動がない場合に比較して運動時には低刺激には低くなるが、弁別閾付近の領域では急激に知覚精度が向上することを明らかにした。さらに、運動加速時と減速時の知覚精度について比較すると、人間の運動制御がより求められる減速時に知覚精度が向上することを明らかにした。また、触知覚錯覚メカニズムについては、急激に重さが印可する受身型の大きさ重さ錯覚現象について、そのメカニズムの解明を行なった。この場合は、最初の試行では人間の反射運動の影響が大きさ重さ錯覚に影響を及ぼすが、試行回数の増加に伴い人間の適応反応により、この影響は消滅し、本来の大きさ重さ錯覚現象が出現することを明らかにした。 遠隔力感覚通信については、従来の実験装置はロボットハンドを改造したハプティックインタフェースを用いていたが、稼動範囲が狭く実験に支障をきたしていたので、自作することで稼動範囲の広いハプティックインタフェースを実現することとした。本年度は2式のハプティックインタフェースを自作し、その基本特性を解明することができた。 最後に関連研究として、人間の上肢ロボットを想定して、ロボットアームとフィンガからなるロボットシステムを構築し、自然な運動の実現を試みた。人間の手の運動を観察することで、人間は指の可操作度を一定以上に保持しながら作業している点に着目し、指の可操作度を指標とする複数の協調制御アルゴリズムを考案し、自由空間および拘束空間で、それぞれの特徴を明らかにした。
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Research Products
(4 results)