2006 Fiscal Year Annual Research Report
超精細画像による歴史資料の研究・展示のための高度閲覧方式の研究
Project/Area Number |
18300086
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
安達 文夫 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (30321540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 卓治 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助手 (70270402)
徳永 幸生 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70317361)
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Keywords | 歴史資料 / 高精細画像 / 研究支援システム / 比較表示 / 利用特性 |
Research Abstract |
歴史資料の様々な特性と研究手法を勘案した調査研究支援のための画像閲覧方式を確立するとともに、研究成果を公開する一つの形態である展示において、非常に高精細な画像を適用して、資料に記された対象の解説を利用者に分かりやすく提示できる画像閲覧方式を確立することを目的として、以下の事項について研究を行った。 1.資料画像提示方式 歴史資料の調査研究支援のための画像閲覧として、今年度は表裏に文字等が記された紙背文書を対象とし、高精細にディジタル化した画像により、その表裏を比較する方式について検討を行った。比較のための表示として、画面を左右に分割して表裏を表示する方法(左右方向に逆に移動する)と、上下に分割し一方を180度反転して表示する方法がある。資料を広い範囲で観るには画面を分割せず一方だけを表示することも求められる。この間の画面遷移について、機能と操作性の面から検討を行い、ソフトウェアのプロトタイピングにより動作とその効果を確認した。 2.閲覧ナビゲーション 資料中の対象の解説を適切に与える方式の基本検討として、国立歴史民俗博物館の幾つかの企画展示において収集した画像資料閲覧システムの利用記録を分析し、閲覧される箇所の分布を求めた。このとき、閲覧の実体を反映するよう、閲覧回数ではなく、閲覧時間で評価する分析方法を実現した。求めた閲覧分布より、平均以上の率で閲覧される箇所と、解説が付けられた領域とを比較すると、調査した全ての資料において概ね一致する。資料画像に表示倍率の軸を加えた3次元空間上の解説領域での閲覧率を求め0.47〜0.69を得た。閲覧箇所と解説領域の不一致が大きい資料もあり、解説領域の設定方法について、解決すべき課題が明らかとなった。この成果を、学会の研究会と年次大会において発表した。
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