2009 Fiscal Year Annual Research Report
社会的相互作用における感情・意図理解の心理・神経基盤
Project/Area Number |
18300088
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉川 左紀子 Kyoto University, こころの未来研究センター, 教授 (40158407)
|
Keywords | 表情 / 視線 / 脳機能画像 |
Research Abstract |
平成21年度の研究成果として(1)順、逆再生の動的表情知覚時の扁桃体活動に関する脳機能画像研究、(2)情動表情と視線の統合に関わる神経機構の研究,(3)表情画像と逆表情画像を用いた視覚探索に関する研究、(4)表情表出の抑制と誇張が主観的情動経験に及ぼす影響に関する研究などが海外、国内の主要専門誌に掲載された.またこれまでの研究成果全体を総括し、報告書を作成した。(1)では、中性から恐怖(幸福)に変化する表情動画、および恐怖(幸福)から中性に変化する表情動画知覚時における脳活動をfMRIで計測した。その結果、恐怖、幸福のいずれにおいても左扁桃体が順再生に対して強く活動すること、主観的感情強度と扁桃体の活動との間に正の相関がみられることが示された。(2)では,知覚者を直視する怒り、幸福の動画表情において、(逸視の表情と比較して)扁桃体が強く活動し、経験した情動強度の主観評定においても対応する結果となることが分かった。(3)では、怒り・幸福表情画像およびそれぞれの逆表情画像(中性表情を基準として、情動表情との視覚的差異を等しくなるよう画像処理して作成した、感情を表さない中性的表情画像)を用いた視覚探索課題において、怒り、幸福の表情の探索時間は逆表情探索時間よりも一貫して短いことを明らかにした。視覚探索課題での表情画像の探索優位性は、画像の視覚要因によるのではなく、情動が関与していることが示唆された。(4)では、快情動および不快情動を喚起する映像の注視時に、表情による情動表出を抑制する条件と誇張する条件とで、主観的な情動経験がどのような影響を受けるかを比較した。その結果、快情動と不快情動では表出抑制と表出誇張による情動調整の効果が異なることが示された。
|
Research Products
(14 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] The influence of facial expression and gaze direction on motivation of helping2009
Author(s)
Nakashima, S., Minemoto, K., Kanbe, T., Horikawa, S., Sanada, Y., Yoshikawa, S.
Organizer
10th International Society for Research on Emotion
Place of Presentation
Leuven, Belgium
Year and Date
2009-08-06