2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18300091
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
星 詳子 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (50332383)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 省仁 北海道大学, 教育学研究科, 教授 (20171960)
精山 明敏 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70206605)
|
Keywords | 認知科学 / 医療・福祉 / 神経科学 / 生理学 / 脳・神経 |
Research Abstract |
18名の大学生・大学院生を対象に課題遂行中に生じる眼球運動を、眼球運動計測装置を用いて解析した。停留点を0.1秒、50ピクセルの停止と定義した場合、眼球運動は水平運動と上下運動の二つに大別され、被験者は、課題により若干の違いはあるものの、どちらか一方のパターンを示すことが多かった。しかしこの計測では、課題説明中にもgaze aversionが生じ、ある一点からの眼球運動パターンを系統的に解析することができなかった。 上記の計測で観察されたパターンが、被験者固有のものであるか否か、また、gaze aversionを生じさせない状態ではtask performanceにどのような影響を与えるのかを検討するために、半年後に同一の被験者16名を含む19名を対象に、一点固視状態と課題遂行中は普通に眼球を動かせる状態で計測解析を行った。同一の被験者では半年後も同じ眼球運動パターンを示すことが多かった。しかし、眼球運動パターンを詳細に検討すると、アナログ的には課題の種類(身体の位置感覚を思い出す課題、計算課題、エピソード記憶に関する問題など)で違いが認められ、定量的にその違いを表出する方法を試案している。また、一点固視の場合は、task performanceの低下を示す例が認められ、gaze aversionは無意識に生じ意識的な制御が困難な現象で、意識的に抑制することによって、二重課題を遂行しているのと同じ現象が生じている可能性が示唆された。一方、約25%の被験者は一点固視と自由な眼球運動の二つの条件間に特に差を感じておらず。むしろ一点固視の方が計算問題の時は集中できたとする内省報告もあり、課題遂行方略とも関連していると考えられた。 10名の新生児を対象に、産院退院後から週一回自宅でその眼球運動を、約15分間ビデオで記録してもらう研究を開始した。平成20年度5月までにさらに15名を加えて、合計25名の対象児の眼球運動(gaze aversion)出現時期と発達の関係を明らかにする縦断研究を続ける。
|