2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子ネットワークによる創薬ターゲットパスウェイのイン・シリコ探索技術
Project/Area Number |
18300097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮野 悟 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50128104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井元 清哉 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10345027)
長崎 正朗 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90396862)
山口 類 東京大学, 医科学研究所, 特任講師 (90380675)
土井 敦 東京大学, 医科学研究所, 特任助手
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Keywords | 遺伝子ネットワーク / システム生物学 / 創薬ターゲット遺伝子 / シミュレーション / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本研究は,遺伝子ネットワークを推定する技術と計測データや文献情報から動的な遺伝子ネットワークモデルを構築しシミュレートする技術を基礎として,遺伝子ネットワーク情報を用いて,創薬のターゲットになるパスウェイを探索するためのバイオインフォマティクスの技術を研究することを目的としている. 平成18年度は,遺伝子発現データを遺伝子オントロジーを使って解析するための統計的方法を構築した.この遺伝子オントロジーを利用する方法は,マイクロアレイ遺伝子発現データを用いて,その発現データからその背景にある細胞内メカニズムに関係深い遺伝子機能を予測するものである.まずp値などを用いてランク付けする既存の方法は,偽陽性の予測など,様々な深刻な問題を抱えていることを指摘した。特に,p値によるランク法は,背景となっている細胞内メカニズムとは関係のない遺伝子群を統計的に有意差があるように判定することが多いことがわかった.本年度は,まずこうした問題を解決し,統計的理論に裏打ちされたオントロジーという知識の分類と関係付けを用いた新しい方式を開発した.そしてMonte Carlo実験を行うことで,既存法の問題が,本方式では解決されていることを実証し,その有効性を示した.また,実際の遺伝子発現データの解析に応用した. また,遺伝子ネットワークの装薬ターゲット探索とバリデーションのための統計・計算方法にっいて,これまで知られている方法についての調査を行い,今後の方向について検討し論文として発表した. また,いくつかの化合物についてマウスを利用した薬剤投与量と時系列のマイクロアレイデータ遺伝子発現解析を2WAY-ANOVAを用いて解析し,パスウェイレベルで使われ方が異なる遺伝子セットを同定できるかどうかなどを開発中である.
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Research Products
(3 results)