2008 Fiscal Year Annual Research Report
大規模代謝・遺伝子ネットワークのダイナミックシミュレーションとシステム解析
Project/Area Number |
18300098
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
倉田 博之 Kyushu Institute of Technology, 大学院・情報工学研究院, 教授 (90251371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 和幸 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 教授 (00150318)
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Keywords | バイオインフォマティク / アンモニア同化 / シミュレーション / システムバイオロジ / ロバストネス / ネットワーク / 大腸菌 |
Research Abstract |
大腸菌の窒素同化システムの数学モデルを開発して、シミュレーションやシステム解析をすることにより環境中のアンモニア濃度の変化に対してシステム(GSやNRIのタンパク質)がヒステリシスを示すことを予測した。ヒステレシスが起こることを生物実験を用いて証明した。環境中のアンモニア濃度を変化させながら、各タンパク質の発現量をRT-PCRを用いて測定した。 次に、システムのロバストネスを調べるために、各速度パラメータに摂動を与えて、細胞内の窒素濃度と炭素濃度のバランスをシミュレーションした.GSの合成に関わる速度パラメータの変化に対して、そのバランスは比較的大きく変化したが、そのほかの速度パラメータ変化に対してはロバストであった.窒素同化システムは、ロバストな部分とファインチューンの部分がはっきりと分かれていることわかった.シミュレーション結果を証明するために生物実験を行った。各タンパク質発現量をIPTGを用いて変化させながら、GS発現量をRT-PCRを用いて測定した。 また、アンモニア同化システムのモジュール構造を解析するためにコンピュータシミュレーションを行った結果、2つのモジュールの合成によって、速い反応、広範囲のアンモニア濃度変化に対して、応答が可能であることがわかった。一方で、内部パラメータに対するロバストネスは失われることが分かった。モジュールの結合によって複雑化すると、ロバストネスは獲得されるが、トレードオフが生じることを証明した。人工物の設計と同様の関係を示すことができた。
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