2006 Fiscal Year Annual Research Report
視床皮質投射をモデル系とした軸索の標的認識・分枝形成の分子機構に関する研究
Project/Area Number |
18300105
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 亘彦 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (00191429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅生 紀之 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助手 (20372625)
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Keywords | 大脳 / 層構造 / 視床 / 軸索枝分かれ / 神経活動 |
Research Abstract |
近年の神経生物学の研究により、発生過程において軸索伸長を誘引する分子や反発する分子の存在が示され、神経回路形成の原理的な理解は大いに深まった。しかしながら、これら発生プログラムに従った軸索誘導分子によるメカニズムだけで説明することは困難である。特に発生発達における発火活動やシナプス活動による修飾作用については不明な点が多い。以上を踏まえて、本研究では視床皮質投射をモデル系として、枝分かれ形成を含む標的認識における神経活動による修飾機構を明らかにすることを目指した。 そのために、視床-大脳皮質共培養を発生期のげっ歯類の脳から作製し(生後1日ラットより大脳切片を、胎生期16日ラットから視床切片を取り出す)、皮質内の視床軸索の枝分かれをeyfp(enhanced yellow fluorescent protein)ベクターを少数の視床細胞に導入することによって調べた。また、培養下での神経活動を記録するためにはMED(multi-electrode dish)を用いた。まず、形態観察の結果、培養1週後から視床軸索は枝分かれを作り始め、培養2週後では平均十数本の枝分かれが標的層を中心に分布していることが判明した。一方、神経活動も培養1週後から活発になり、培養1-2週の間数Hzの活動が見出された。次に、培養1週後からナトリウムチャネルあるいはグルタミン酸受容体のプロッカーを培養液に加えると、これらの標的層での枝分かれが著しく減少した。以上より、層特異的な視床皮質投射が形成されための分子機構が働くためには神経活動が必要であることを示唆された。
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Research Products
(2 results)