2006 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質連合野における抑制性神経細胞のギャップ結合ネットワーク
Project/Area Number |
18300108
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福田 孝一 九州大学, 大学院医学研究院, 講師 (50253414)
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Keywords | ギャップ結合 / コネキシン36 / 連合皮質 / パルブアルブミン / 視覚皮質 |
Research Abstract |
(1)連合野におけるギャップ結合の観察 深麻酔下に灌流固定した動物の脳を用い、パルブアルブミンおよびコネキシン(Cx)36に対する特異抗体による蛍光二重染色を行い、交付された補助金により設置した共焦点レーザー顕微鏡を用いて、連合野の各領域(19野、PMLS、7野)において詳細な観察を行った。PV陽性ニューロンの樹状突起間に存在するCx36陽性のギャップ結合は、その分布密度において、同じ連合野でも領域やlayerによってかなり異なっていることが明らかになった。またこれまで私が研究を進めてきた一次視覚皮質とも違いが認められた。これらの違いは、一見同じように見える大脳皮質が、ギャップ結合による直接的な電気的結合を媒介とする情報処理メカニズムにおいて異なっていることを示している。 (2)ギャップ結合を同定する新たなツールの開発 これまでギャップ結合の同定に用いてきた市販の抗体は、残念ながら免疫組織化学染色の特異性の問題で、齧歯類には用いることができず、非常に特異的な染色を示すネコを材料として研究を行ってきた。しかしながら齧歯類を材料とすることができれば、その利点は言うまでも無く大きい。そこで新たにCx36の一部のペプチド配列を合成して抗原とし、齧歯類の脳において特異的染色を可能にする抗体の作成を試みた。その結果、非常に良好な染色をもたらす抗血清をウサギから得ることができた。さらに血清ではウエスタンブロットにおいて存在していたいくつかの非特異的バンドを、アフィニティカラムにより精製することに成功した。これまで他の研究室で作成された抗体や、市販のものを含めて、Cx36に対するあらゆる抗体が、齧歯類の脳では特異的染色が得られないできたが、今回私が作成した抗体により、本研究課題の強力な推進が、来年度以降可能になると考えられる。
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