2007 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質連合野における抑制性神経細胞のギャップ結合ネットワーク
Project/Area Number |
18300108
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福田 孝一 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 准教授 (50253414)
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Keywords | ギャップ結合 / コネキシン36 / 連合皮質 / パルブアルブミン / 線条体 / GABA / インターニューロン |
Research Abstract |
(1)連合野におけるギャップ結合の観察 前年度に引き続き、パルブアルブミンおよびコネキシン(Cx)36に対する特異抗体による蛍光二重染色を行い、連合野の各領域において精力的な観察を行った。PV陽性ニューロン樹状突起間に存在するCx36陽性のギャップ結合の分布密度は、各領域・layerによる違いが認められたが、同時にPVニューロンそのものの密度や、個々のニューロンから各方向に伸びる樹状突起の横方向への広がりにも大きな部位差があることに気づいた。これは、大脳皮質のカラムのサイズや入出力構成、ならびに情報処理機構異の差に恐らく直接関連する重要な差異と考えられる。最終年度は上記の各要素間の定量的な関係を詰め、論文にまとめる。 (2)新規に作成した抗コネキシン36抗体のネコ脳組織への応用 これまでネコ脳に最適な(しかし齧歯類には不適当な)市販の抗体を用いて研究を行ってきた。ところが再購入したこの市販抗体では全く染まらなくなり、調査の結果、製造元で別の動物から採取した抗体を同一商品名で販売していることが判明した。研究を続行するために、急遽私が18年度に齧歯類用に作成した新しい抗体をネコ脳組織に適用することにした。最適条件を得るのに難渋したが、別の切片で一晩非特異的成分を吸収したものを利用する事で、最終的に非常に良好な染色を得た。 (3)線条体におけるギャップ結合ネットワークの解析 作成した抗体をネコ脳に適用する一連の実験過程で、大脳皮質以外の領域でもさまざまな興味深い所見に気づいた。特に大脳皮質と密接に関連する線条体では、樹状突起ネットワークがパッチ領域を避けほぼマトリックスにのみ広がること、特に連合野と結合する尾状核ではギャップ結合の密度において吻尾方向に大きな差があることを見いだした。
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