2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18300109
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
持田 澄子 東京医科大学, 医学部, 教授 (30096341)
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Keywords | シナプス / シナプス小胞 / 神経伝達物質 / 開口放出 |
Research Abstract |
ラット培養交感神経節細胞間に形成されたコリン作動性シナプスのシナプス前神経細胞に、1)リコンビナント蛋白質を導入、2)遺伝子導入による蛋白過剰発現、3)ミュータント遺伝子導入による異常蛋白強制発現、4)siRNA導入による蛋白ノックダウンによって、active zoneに発現する蛋白燐酸化酵素SAD-1によるシナプス小胞開口放出調節機構とコリン作動性神経終末に特異的に発現するTRPM7チャネルの生理機能の究明を試みたところ、下記のことが明らかになった。 1.SAD-1燐酸化酵素はactive zone cytomatrix蛋白のRIMと結合して、シナプス小胞priming過程を増強する。 2.TRPM7チャネルはアセチルコリンを含有するシナプス小胞に特異的に発現して、シナプス小胞蛋白のスナピンと結合してシナプシン1・シナプトタグミンと複合体を形成し、TRPM7チャネルの開口がシナプス小胞内のアセチルコリンをシナプス間隙へ放出することを駆動する。 さらに、NADからサイクリックADPリボースを合成する酵素活性をもつCD38を欠損するマウスでは養育行動異常を示すが、その原因はオキシトシンの分泌が阻害されることにあることが明らかになった。また、単離した視床下部分泌神経細胞や下垂体後葉神経終末部を用いた実験で、cADPR依存性に細胞内カルシウムストアーからCa^<2+>が放出され、これをトリガーとしてオキシトシンが放出されることが確認された。
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