2006 Fiscal Year Annual Research Report
Ventricular mixingの意義と制御機構
Project/Area Number |
18300110
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
小野 勝彦 生理学研究所, 分子生理研究系, 准教授 (30152523)
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Keywords | ドメイン構造 / 細胞移動 / 細胞分化 / 脳室層 / Cre / loxP / タモキシフェン / 転写因子 / スライス培養 |
Research Abstract |
発生期の中枢神経系(神経管)において神経前駆細胞は、前後軸および背腹軸の中の位置に依存して特定の転写因子を発現し、細胞分化が決定されると考えられている。たとえば、脊髄の脳室層では背腹軸方向に11のドメインが報告されている。個々の神経前駆細胞は、分化の方向が決定した後、脳室層から離れて移動し、機能する部位に到達する。一方、脳室層の中で細胞が背腹方向に移動する可能性が示唆され。ventricular mixingと呼ばれているが、その現象も制御機構もほとんど明らかにされていない。本研究では、ventricular mixingの現象を明らかにし、さらに制御機構と細胞分化における意義を明らかにしようとするものである。 今年度はventricular mixingの現象を明らかにするため、神経管のスライス培養を行いその脳室層でGFPにより標識された細胞の動きを連続撮影により記録した。少数のventricular cellを標識するため、tamoxifen-inducible Cre/loxP systemを用いた。すなわちOlig2-CreERノックインマウスとZ/EGレーポーターマウス(Cre依存的遺伝子組み換えによりGFPを発現する)を交配させ、E9.5にタモキシフェンを投与しE10.5で神経管のスライス培養を行った。そして、GFPを発現した少数のOlig2系譜細胞を経時的に撮影し、time-lapse movieを作製した。その結果、培養スライスの脳室層の中で背腹軸方向に位置を変化する細胞が少数ながら見出され、ventricular mixingを示すことができた。現在この系を用いて、(1)mixing細胞の動きに規則性があるかどうか、(2)mixingによってドメインの境界を越えた細胞が転写因子発現を変えるかどうか、の点について詳細に解析を行っている。
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Research Products
(6 results)