2007 Fiscal Year Annual Research Report
Ventricular mixingの意義と制御機構
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18300110
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
小野 勝彦 National Institute for Physiological Sciences, 分子生理研究系, 准教授 (30152523)
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Keywords | ドメイン構造 / 後脳 / Olig2 / 脳室層 / Cre / loxP / タモキシフェン / 転写因子 / スライス培養 |
Research Abstract |
Olig2系譜細胞をタモキシフェン誘導型Cre/LoxPシステムでGFP標識し、これをスライス培養下で脳室層での標識細胞の動きを解析した。その結果、1晩の培養時間で105個のGFP陽性細胞が培養スライスの正中線領域(おそらく脳室層)でみられた、このうち45個の細胞が観察時聞の間に脳室層内で2-3細胞層以上位置が変化した。これは半数近い細胞がventricular mixingを行なっていることを示している。脳実質(前角など)でみられるGFP陽性細胞は、エレベーター様運動やランダムな動きを呈していた。 次に、生体内ではmixing運動がみられるかどうかを調べた。タモキシフェンをE9.5で投与し、成体および24時間後(E10.5)の後脳で解析した。これまでOlig2前駆細胞は体性運動ニューロンに、その腹側に位置するNkx2.2前駆細胞は、内臓性運動ニューロンとセロトニンニューロンに分化するとされてきた。我々の結果では、成体脳ではE9.5で0lig2を発現していた細胞は、これら3種類のニューロンすべてに分化していた。また、タモキシフ,エン投与24時間後(E10.5)では、4割近いolig2系譜GFP陽性細胞がより腹側のNkx2.2ドメインに位置して一部のものはNkx2.2陽性を示していた。さらに後脳実質内ではPhox2bを、および脊髄ではSim1を発現しており、Nkx22陽性前駆細胞に由来するニューロンに分化することが示された。したがって、E9.5でOlig2を発現していた前駆細胞の一部は24時間後にはventricular mixingにより脳室層内で位置を変え、新たな位置情報に基づいた分化様式を呈することが明らかにされた。
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Research Products
(2 results)