2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18300113
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
本田 学 National Center of Neurology and Psychiatry, 神経研究所疾病研究第七部, 部長 (40321608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花川 隆 国立精神・神経センター, 神経研究所疾病研究第七部, 室長 (30359830)
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Keywords | 脳・神経 / 脳神経疾患 / 認知 / イメージング / 運動 |
Research Abstract |
(1)運動と認知における運動前野と頭頂葉の機能分担の解明 運動を行わず心内表象を操作するときに、経頭蓋磁気刺激により操作中(刺激呈示後300ミリ秒後)の運動前野の活動を抑制すると、課題遂行にかかる時間が延長し正答率が低下するのに対して、頭頂葉の活動を抑制すると逆に課題遂行にかかる時間が短縮して正答率が向上することを見出した。このことは運動前野が心内表象操作そのものを担っているのに対して、頭頂葉は捜査状況をモニタリングしていることを示唆する(論文査読中)。 (2)認知的手続き学習における運動関連領域の役割の解明 2種類の異なる順序運動を、ランダムに切り替えて同時並行で学習させた場合(ランダム型)と、各課題をそれぞれ集中的に学習させた場合(ブロック型)とで、学習したスキルが翌日以降どの程度保持されるかについて検討した。学習終了後のさまざまなタイミングで磁気刺激を用いて補足運動野の活動を阻害したところ、ブロック型学習では学習内容の定着が阻害され翌日以降の成績が学習直後よりも低下していたが、ランダム型学習では記憶の定着が阻害されず、学習内容が翌日以降も保たれていた。このことは、補足運動野の機能が運動順序の認知的手続き学習の定着に必須の役割を果たしていることを示すとともに、一つのことに集中して学習するよりも、2つ以上のことを同時並行で学習するほうが、学習内容の定着が促進される、あるいは忘却に対して頑強性をもつことを示唆するものと考えられ、運動認知学習を考えるうえで意義深い所見と考えられる(論文査読中)。 (3)経頭蓋直流電気刺激を用いた運動機能促進 運動と認知の共通制御機構を調べるにあたり、機能阻害ではなく促進をもたらす新しい手法として、経頭蓋直流電気刺激の有用性について検討した。健常人の一次運動野に経頭蓋直流電気刺激を加えることにより、下肢の筋力が増強することを示し論文発表した。今後、認知機能に対する促進効果についても検討し、認知リハビリテーションなどに繋がる可能性が示された(論文掲載済)。
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Research Products
(7 results)