2006 Fiscal Year Annual Research Report
線条体領域ドーパミン情報伝達マップ:病態モデルへの展開
Project/Area Number |
18300128
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
西 昭徳 久留米大学, 医学部, 教授 (50228144)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外角 直樹 久留米大学, 医学部, 助手 (60368884)
渡邉 優香 久留米大学, 医学部, 助手 (80412542)
首藤 隆秀 久留米大学, 医学部, 助手 (70412541)
河原 幸江 久留米大学, 医学部, 助手 (10279135)
|
Keywords | ドーパミン / DARPP-32 / 線条体 / リン酸化 / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
ドーパミンはパーキンソン病、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、レット症候群、薬物依存などの病態と密接に関わっている。ドーパミン作用の異常は様々な精神・神経症状を呈するため、ドーパミンが作用するメカニズム、つまり、ドーパミン情報伝達系の解明は重要である。この研究の目的は、正常に機能する「線条体領域ドーパミン情報伝達マップ:正常機能」の確立を目指すとともに、病的条件下において精神・神経機能異常を誘導する情報伝達系を特定し「線条体領域ドーパミン情報伝達マップ:病態モデル」を作製することである。H18年度の研究により、以下の研究成果を得ている。 ドーパミン/DARPP-32情報伝達カスケードの解析では、DARPP-32のCK2リン酸化サイトであるSer97残基は核外移行シグナルとして機能していることが明らかになった。Ser97残基リン酸化DARPP-32は核内より核外に移行するが、Ser97残基が脱リン酸化されると核内にDARPP-32が蓄積する。さらに、PKAシグナルの活性化はPP-2AによるSer97残基の脱リン酸化を促進し、PKAによりThr34残基がリン酸化されたDARPP-32が核内でPP-1抑制シグナルとして機能すると考えられる。 PKAリン酸化基質の解析では、ドーパミン神経終末におけるtyrosine hydroxylase(TH)のSer40残基のリン酸化がphosphodiesterase 4(PDE4)により選択的に制御されていることが明らかになった。また、線条体ニューロンでは、PKA基質のリン酸化は主としてPDE10により制御されているという知見を得ている。 レット症候群モデルマウスであるMecp2^<308/Y>マウスの解析では、15週齢まではドーパミンシグナルの異常は認めないが、20週齢を過ぎるとドーパミンD1受容体シグナルの亢進を認めることを明らかにしている。
|
Research Products
(5 results)