2007 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質-大脳基底核ループによる動的運動制御機構の解明
Project/Area Number |
18300135
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
南部 篤 National Institute for Physiological Sciences, 統合生理研究系, 教授 (80180553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 伸彦 生理学研究所, 統合生理研究系, 助教 (80296053)
橘 吉寿 生理学研究所, 統合生理研究系, 助教 (50373197)
知見 聡美 生理学研究所, 統合生理研究系, 助教 (30396262)
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Keywords | 大脳基底核 / 淡蒼球 / 随意運動 / 大脳基底核疾患 |
Research Abstract |
大脳基底核の中で淡蒼球内節は、大脳皮質運動野からの入力を、大脳基底核の入力部である線条体と視床下核、および中継核である淡蒼球外節を介して受けている。淡蒼球内節は大脳基底核の外へ出力を送り、運動遂行に重要な役割を果たしていると考えられる。本実験では、覚醒下サル淡蒼球内節から細胞外活動を記録することにより、視床下核からのグルタミン酸作動性入力と、線条体と淡蒼球外節からのGABA作動性入力が、淡蒼球内節の自発発射活動や皮質由来の神経活動をどのようにコントロールしているのか調べた。皮質刺激によって淡蒼球内節のニューロンは、早い興奮+抑制+遅い興奮の3相性の応答パターンを示す。局所にNMDA受容体の拮抗薬であるCPPやAMAP/kainate受容体の拮抗薬であるNBQXを微量注入すると、淡蒼球内節の発射頻度が減少すると同時に、皮質刺激によって誘発される早い興奮と遅い興奮が消失した。また、GABA_A受容体の拮抗薬であるgabazineを局所注入すると発射頻度が上昇し、発振する傾向を示すと同時に、皮質由来の抑制が消失した。これらの結果は、皮質刺激において淡蒼球内節でみられる早い興奮、抑制、遅い興奮が、それぞれハイパー直接路(大脳皮質-視床下核-淡蒼球内節)、直接路(大脳皮質-線条体-淡蒼球内節)、間接路(大脳皮質-線条体-淡蒼球外節-視床下核-淡蒼球内節)を経由していること、また、これらの入力が淡蒼球内節の自発発射パターンを制御していることを示している。 また、昨年度に引き続き、大脳基底核疾患の病態を調べる目的で、ジストニアモデルマウス、およびジストニア患者の定位脳手術に立ち会い患者から記録を行った。両者とも淡蒼球外節・内節の発射頻度が減少していると同時に、大脳皮質刺激によって淡蒼球外節・内節で観察される抑制が増強していることがわかった。この抑制の増強が、ジストニアの病態を考える上で重要であることが示唆された。
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[Journal Article] Changes in the rates of the tricarboxylic acid (TCA) cycle and glutamine synthesis in the monkey brain with hemiparkinsonism induced by intracarotid infusion of 1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine (MPTP):Studies by non-invasive 13C-magnetic resonance spectroscopy2007
Author(s)
Kanamatsua T, Otsuki T, Tokuno H, Nambu A, Takada M, Okamoto K, Watanabe H, Umeda M, Tsukada Y
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Journal Title
Brain Res 1181
Pages: 142-148
Peer Reviewed
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